繊維製品のプロフェッショナルを目指す人におすすめなのが「衣料管理士(TA)」の資格取得。この記事では衣料管理士(TA)になるための条件、どんな職業や業界に就職するときに役立つのかなどを解説します。アパレルやファッション業界に憧れている人はチェックしてくださいね。
衣料管理士(TA)とは、どんな資格?
衣料管理士(TA)とは、テキスタイルアドバイザーとも呼ばれる繊維製品の専門家です。繊維製品はアパレルやインテリア用品、雑貨など多岐にわたります。TAは、繊維製品を企画・生産・販売する企業や団体で働き、下記のような仕事を担当します。
- 企画・設計
- 販売
- 品質保証
- 消費者対応 など
TAには繊維製品に関する豊富な知識や技術が求められます。TAには「1級TA」と「2級TA」があります。TAの資格を認定しているのは、一般社団法人 日本衣料管理協会です。TAの資格認定は、昭和48年3月から始まりました。これまでに5万人を超えるTAが認定されています。
学ぶ知識・技術
衣料管理士(TA)を取得するためには、日本衣料管理協会が認定した大学または短期大学で4つの専門分野について勉強し、所定の単位を履修・試験に合格する必要があります。
- 1級TA
- 4年制大学で43単位以上の科目履修
- 2級TA
- おもに短期大学で28単位以上の科目履修
1、2級では1級がより難易度の高い級数となりますが、各級で勉強する分野の範囲は同じです。
4つの分野と主な科目
TAの資格取得のためには、「材料」「加工・整理」「企画・設計・生産」「流通・消費」の4つの分野について学習します。4つの分野と科目は下記の内容となります。
- 材料・品質の分野:繊維・糸・布、品質管理の知識
- 被服繊維学、被服材料学、機能材料学、機器測定法、高分子化学、繊維製品試験法、繊維学実験、材料学実験、テキスタイル基礎科学、インテリア繊維製品、品質管理、統計学
- 加工・整理の分野:加工・染色加工・取扱い・洗濯などの知識
- 被服整理学、被服整理学実験、染色加工学、染色加工学実験、繊維加工論、工芸染色実習、衣料用洗剤試験法、染色堅ろう度試験法、繊維加工学実験、繊維製造の取扱いに関する試験法
- 企画・設計・生産の分野:衣服の企画・設計・生産の知識
- アパレル企画論(同実習)、アパレルデザイン論、アパレルデザイン表現実習、アパレル設計論・生産論、アパレル設計実習、アパレル生産実習、アパレルCAD実習、テキスタイルデザイン、アパレルグラフィック実習、色彩学(同実習)、アパレル生理衛生論(同実験)、機能アパレル論
- 流通・消費・消費者問題などの分野:消費者行動・調査法、産業や商品、販売、インテリアなどの知識
- 生活行動論、消費科学、消費者調査法、ファッション商品論、消費生活論、消費者経済学、インタ-ンシップ(1級は必修)、ファッションビジネス論、ファッション販売論、ファッションリテ-ル実習、ファッション商品論、マ-ケティング論、衣生活文化論、被服心理学、インテリアコ-ディネ-ト概論、ケ-ススタディ、ファッションビジネスの世界
衣料管理士(TA)で目指せる職業、就職先は?
衣料管理士(TA)を取得すると、下記の業界などへの就職・転職において自己アピールにつながります。
- アパレル業
- スポーツウェア関連業
- 肌着製造業
- 商社・問屋・卸
- 紡績・織物・染色加工業
- 教育機関
- 行政・消費センター
- 試験技術センター
- 検査機関
- 副資材
- カーテン・インテリア用品業界
- 寝具・寝装品業界 など
衣料管理士(TA)を取得するとどんな悩みが解決できる?
衣料管理士(TA)を取得すると、下記の悩みや課題の解決に貢献できます。
- 衣料管理士(TA)が解決できること
-
- 繊維製品の企画や生産から、消費者のQOL向上に貢献できる
- 繊維製品の品質維持をサポートできる
- 繊維製品に問題が発生した際、適切な対応をとることができる
衣料管理士(TA)の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
衣料管理士(TA)の資格を取得するためには、TA養成大学として認定されている大学または短期大学に入学し、所定の科目を履修して最終試験に合格する必要があります。
認定校に関しては公式HPで最新の情報をチェックしましょう。
取得にかかる費用
認定大学または認定短期大学ごとに、入学費用や授業料が異なります。各校のHPなどを確認してください。
衣料管理士(TA)試験の日程
認定大学または認定短期大学のカリキュラムなどを確認してください。
衣料管理士(TA)はどんな人におすすめの資格?
一般社団法人 日本衣料管理協会のHPによると、2021年3月に卒業した学生のうち、繊維・ファッション関係の企業に就職したのは、TA1級取得者の55.1%、2級TA取得者の57.6%でした。繊維・ファッション業界で活躍することを目指す学生は、協会の認定校への進学を検討してみるという方法もあるでしょう。
繊維製品について素材や生産・流通・消費などの分野を体系的に学ぶことで、企画・設計、販売、品質保証、消費者対応など、キャリアプランの幅が広がります。
- 衣料管理士(TA)の資格取得がおすすめな人
-
- 繊維・ファッション業界に関心がある学生
- キャリアプランを広げたい学生
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
衣料管理士(TA)を主催・運営しているのは、一般社団法人 日本衣料管理協会です。試験の詳細や申込については、下記URLから確認してください。
まとめ:認定校でじっくり学び、憧れの繊維・ファッション業界へ
衣料管理士(TA)の資格を取得するためには、認定校へ入学し所定の単位を取得する必要があります。将来はアパレルやファッション業界で働きたい高校生など学生は、衣料管理士(TA)という道も検討してみてくださいね。
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