社会人は、ビジネスマナーや教養を身に付けておくのが常識といわれています。しかしどんな知識や能力を習得するのが望ましいのでしょう。
この記事では、新社会人や学生におすすめしたい「ビジネス能力検定ジョブパス」について説明します。企業もビジネススキルの基礎・基本固めとして導入することもある試験の内容を見ていきましょう。
ビジネス能力検定ジョブパスとは、どんな資格?
ビジネス能力検定(B検)ジョブパスとは、社会人にとって仕事で必要な能力を評価する試験です。B検は1995年に産学連携で開発された試験で、文部科学省の後援・認定を受けています。
B検は、特定の業種や職種に限った試験ではありません。さまざまな職種・業種の人が身に付けておきたいビジネスの基礎・基本を問う試験です。
受験者には、就職を控えた学生や新社会人はもちろん、中堅社員まで幅広い人がいます。試験では、若手がしっかりと理解しておきたい基本のビジネス知識やビジネスマナー、中堅社員がスキルアップのために習得したい問題発見力・提案力・発信力の能力を測ることができます。
- B検の特徴
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- 出題内容は、時事、統計、新聞、ビジネスマナー、報連相、接客・営業、プレゼンなど幅広くビジネスの基礎を学べる
- 統計やデータ、ビジネスにおける数字の読み方、税金や法律の知識などスキルアップに役立つ知識も学べる
- 高校、短大、専門学校、大学で試験が導入されている
- 内定者や新入社員の研修または人事制度へ導入している会社がある
- 外国人留学生や、日本で働く外国人にとって、日本のビジネスへの理解のきっかけになる
- さまざまな業種や職種の人が受験している
学ぶ知識・技術
B検は、出題内容やレベルによって1級、2級、3級に分かれます。各級の出題範囲は下記の通りです。
- 1級
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- キャリアと仕事へのアプローチ
- 仕事の基本となる8つの意識
- 会社活動の基本
- ビジネス会話とアクティブリスニング
- 接客と営業の進め方
- 不満を信頼に変えるクレーム対応
- 会議への出席とプレゼンテーション
- チームワークと人のネットワーク
- 仕事への取り組み方・進め方
- ビジネス文書の作成
- 統計・データの活用
- 情報収集とメディアの活用
- 会社数字の読み方
- ビジネスと税金・法律知識
- 産業と経済の基礎知識
- 2級
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- キャリアと仕事へのアプローチ
- 仕事の基本となる8つの意識
- 会社活動の基本
- ビジネス会話とアクティブリスニング
- 接客と営業の進め方
- 不満を信頼に変えるクレーム対応
- 会議への出席とプレゼンテーション
- チームワークと人のネットワーク
- 仕事への取り組み方・進め方
- ビジネス文書の作成
- 統計・データの活用
- 情報収集とメディアの活用
- 会社数字の読み方
- ビジネスと税金・法律知識
- 産業と経済の基礎知識
- 3級
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- キャリアと仕事へのアプローチ
- 仕事の基本となる8つの意識
- コミュニケーションとビジネスマナーの基本
- 指示の受け方と報告・連絡・相談
- ビジネスにふさわしい話し方と聞き方
- 来客応対と訪問の基本マナー
- 仕事への取り組み方・進め方
- ビジネス文書の基本
- 電話対応
- 統計・データの読み方・まとめ方
- 情報収集とメディアの活用
- 会社を取り巻く環境と経済の基本
各級の試験概要は下記の通りです。
- 1級
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- 問題解決を円滑に進めるための論理的な思考、情報発信と表現技法、基礎的なマネジメント技法を実践的に評価する(2級の知識、技法が前提)
- CBT方式による記述入力方式(100点満点)
- 合格基準点は60点
- 2級
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- 企業の役割・責任・権限などを理解し、効率的な業務の進め方、問題解決のための基本的なコミュニケーション、情報活用の技法を評価する(3級の知識が前提)
- 多肢選択(解答マークシート)式のペーパー試験(100点満点)
- 合格基準点は65点
- 3級
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- 職業観や勤労観などの概念形成を前提とし、ビジネス常識、基礎的なコミュニケーション、情報の利活用など、これから職業人として適応するために習得したい知識を評価する
- CBT方式による記述入力方式(100点満点)
- 合格基準点は70点
試験では、1級のみ電卓の使用が可能です。ただし次の電卓の使用は認められていません。
- 電池式(太陽電池を含む)以外の電卓
- 文字表示領域が複数行ある電卓(計算状態表示の一行は含まない)
- プログラム組込機能があるもの
- 電卓が主たる機能ではないもの(パソコン(電子メール専用機等含む)、携帯電話・PHS、電子手帳、電子メモ、電子辞書、翻訳機能付電卓、音声応答のある電卓、電卓付腕時計など)
- その他試験監督者が不適切と認めるもの
合格率は、1級が30~50%、2級が70~80%前後、3級が80~90%です。
ビジネス能力検定ジョブパスで目指せる職業、就職先は?
B検を取得したことが直接就職に役立つとはいえません。ただし、B検取得を通して、あらゆる職種・業界の社会人にとって役立つ知識がつきます。
特に、下記の職種の人にとって役立つことは多いでしょう。
- 営業
- 営業企画
- 販売
- 事務職
- カスタマーサポート
- カスタマエンジニア
- 人材育成担当者
- 管理職
ビジネス能力検定ジョブパスを取得するとどんな悩みが解決できる?
ビジネス能力検定ジョブパスを取得すると、次のような問題や悩みの解決に貢献できます。
- ビジネス能力検定ジョブパスが解決できること
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- 社会人として身に付けておきたい基本的なスキルを習得できる
- 時事用語やビジネス用語を理解し、社会人同士の会話をスムーズにできる
- ビジネスマナーなど社会人としてのコミュニケーション能力を向上できる
- 資料に記載された表やグラフを読み取り、課題発見や分析ができる
- 仕事の課題を抽出し、改善点を考案できる
- 外国人が日本のビジネス社会に馴染むことを促す
ビジネス能力検定ジョブパスの資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
B検の受験は、年齢や国籍などの制限がありませんので誰でも受験できます。また、併願受験が可能です。
出願方法は個人出願と団体出願があります。団体出願は学校や企業で行うことができます。
取得にかかる費用
B級の受験費用は、各級で異なります。
- 1級
- 8,500円(税込)
- 2級
- 4,200円(税込)
- 3級
- 3,000円(税込)
1級については、2級合格者が1年以内に1級を受験する場合(CBT方式は、別に定める期間内に受験する場合)は1回限り5,500円(税込)で受験できます。
合格者には、合格証(カード)が無料で発行されます。希望者には、就職などで証明書として活用するための合格証明書が発行されます。
- 合格証書発行手数料
- 1,100円(税・送料込)
- 合格証明書発行手数料
- 600円(税・送料込)
試験の日程
1級と2級・3級の試験は、2021年度は下記の日程で実施されました。
- 1級
- 2021年度は、9月に試験が実施されました。出願は7月から始まります。
- 2級・3級
- 2021年度は、7月に試験が実施されました。出願は4月から5月でした。
ビジネス能力検定ジョブパスはどんな人におすすめの資格?
B検は、あらゆる職種・業種の社会人が必要とするビジネスの基礎を学べる試験です。特に就職を控えた学生、新社会人は、B検へのチャレンジを通して、社会人の基礎固めができます。
一方で1級に合格するレベルであれば、データや数字の読み方、法律知識も身につきます。管理職やチームリーダーを担当する中堅社員にもおすすめです。
また、ビジネスのグローバル化はますます進展し、日本企業や日本国内で働く外国人の方も増えています。B検は基本的なビジネススキルを網羅していますので、日本で働く外国人が日本の会社ではどんな慣習や文化があるのかを理解することを助けるでしょう。
- ビジネス能力検定ジョブパスの資格取得がおすすめな人
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- 学生や新社会人など、これからビジネススキルを身に付けていく人
- キャリアアップのために、ビジネススキルの基礎を改めて学びたい管理職
- 日本のビジネスの一般常識や慣習、文化を理解したい外国人の方
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
ビジネス能力検定ジョブパスは、一般財団法人 職業教育・キャリア教育財団 検定試験センターが管理している試験です。文部科学省が後援・認定しています。
試験の日程や申込については、下記HPから確認してください。
▼ 一般財団法人 職業教育・キャリア教育財団 検定試験センター
まとめ:個人も企業も注目するビジネススキルの基礎固め
ビジネス能力検定ジョブパスは、ビジネスパーソンが身に付けたい基礎的なスキルや知識、情報を習得するのにぴったりの試験です。すでに学校や企業が人材育成として導入している事例もあります。基礎がしっかりしていると、周囲からの信頼や社会人としての成長も得やすくなりますので、チャレンジしてみてはいかがでしょう。
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