産業・医療の分野で欠かせない「高圧ガス」を取り扱う上で必要な国家資格の一つが、「高圧ガス販売主任者」です。この高圧ガス販売主任者とはどんな資格か、具体的な仕事内容や資格の取得方法などを紹介していきます。
高圧ガス販売主任者とは、どんな資格?
高圧ガス販売主任者とは、液化石油ガスやプロパンといった高圧ガスの販売店で、正しい知識を持って保安管理・販売に従事する責任者です。国家資格の一つで、経済産業省令に基づき、高圧ガスの販売所ごとに資格保有者を必ず選任・配置する必要があります。
資格区分は「第一種販売」「第二種販売」の2種類があり、違いは次の通りです。
- 第一種販売
- 高圧ガスの販売事業所において、一般則で指定されている種類の高圧ガス(アルシン、モノシラン、アセチレン、メタン、水素など)の販売・保安といった統括業務を行うのに必要な資格。
- 第二種販売
- 一般家庭などに供給する液化天然ガス(LPガス)のみを取り扱える資格。この資格があると、液化天然ガスの販売事業所において、販売に関わる保安・統括的な業務を行える。
なお、販売ルートでのボンベの配送や充填作業も、高圧ガス販売主任者の仕事の一つです。2tベースの3t車を運転し、夏場は30件前後、冬場は70件前後の担当地域を回るのが一般的です。
学ぶ知識・技術
高圧ガス販売主任者の国家資格を取得するには、「高圧ガス販売主任者講習」を受講し、修了後の検定試験に合格する必要があります。講習は2日間で、習得する知識・技術は、第一種販売・第二種販売それぞれで下記の通りです。
- 第一種販売
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- 法令:高圧ガス保安法に係る法令
- 保安管理技術:高圧ガス(液化石油ガスを除く)の販売に必要な通常の保安管理の技術
- 第二種販売
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- 法令:高圧ガス保安法および液化石油ガス法に係る法令
- 保安管理技術:液化石油ガスの販売に必要な通常の保安管理の技術
高圧ガス販売主任者で目指せる職業、就職先は?
高圧ガス販売主任者の資格を取得すると、ガス販売業界での就職が目指せます。具体的には、液化石油ガスやプロパン製品を扱う企業、店舗などになります。
高圧ガス販売主任者になるとどんな悩みが解決できる?
高圧ガス販売主任者になると、自身の知識を活かして下記のような悩み・問題を解決できます。
- 高圧ガス販売主任者が解決できること
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- 液化石油ガスやプロパンガスといった高圧ガスを正しく取り扱うことで、ガス事故の発生を未然に防ぐ
高圧ガス販売主任者の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受講資格)
高圧ガス販売主任者の資格を取得するには、高圧ガス販売主任者講習を受講し、検定試験に合格する必要があります。この講習は年齢や学歴を問わず、どなたでも受講できます。
取得にかかる費用
高圧ガス販売主任者講習の受講・受検にかかる費用は、第一種販売・第二種販売いずれも次の通りです。
- 一般申込
- 14,200円
- インターネット申込
- 13,700円
高圧ガス販売主任者はどんな人におすすめの資格?
高圧ガス販売主任者は、次のような人に取得がおすすめの資格です。
- 高圧ガス販売主任者の資格取得がおすすめな人
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- ガス関連の仕事に就きたい人
- 長時間の販売や運転を行える体力のある人
- 年収の良い専門職に就きたい人(平均年収は700万円前後で、未経験でも月給22万円程度+成果報酬の歩合が加算される)
- 「高圧ガス製造保安責任者」「液化石油ガス設備士」「特定高圧ガス取扱主任者」の資格を取得している人(試験科目の一部が免除される)
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
高圧ガス販売主任者は経済産業省が認定している国家資格で、資格講習を実施・管理しているのは「高圧ガス保安協会」です。講習は第一種で年1回、第二種で年2回開催されます。日程や会場、受講手続きなどについては、下記の公式HPからご確認ください。
まとめ:高圧ガス販売主任者は仕事の責任は重いが、高収入が見込める専門資格
高圧ガスは、扱い方を間違えると爆発事故につながりうる危険な物質なので、それを取り扱う「高圧ガス販売主任者」は高い年収を得ることができます。体力に自信があり、将来性の安定した専門職に就きたい人はぜひ資格取得に向けてトライを。
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