家では洗えない素材の服や、衣類についた頑固な汚れ・しみがついた場合、国家資格保持者の「クリーニング師」は心強い存在です。
この記事では、クリーニング師になるにはどんな知識や技術が必要か、クリーニング師の仕事内容、資格の取得方法、資格取得後の研修などを紹介していきます。
クリーニング師とは、どんな資格?
クリーニング師とは、持ち込まれた衣服のしみ抜きやアイロンなど、洗濯・プレスを行う専門技能職です。クリーニング業法に基づいて定められた国家資格で、洗濯に関わる技術だけでなく、衛生法規をはじめとする幅広い知識が求められる仕事になります。
クリーニングを行う事業所では、業務用の洗濯機・脱水機を少なくとも1台以上、そして1名以上のクリーニング師を配置することが義務付けられています。クリーニング師として店舗経営を目指すには免許が必要で、1年以上の業務経験を積み「クリーニング師試験」に合格する必要があります。
クリーニング師の具体的な仕事内容は、以下の通りです。
- 顧客からの衣類の預かり時、素材や汚れのつき方を確認する
- 家庭での洗濯が難しい特殊な素材の衣類のクリーニング、しみ抜き
- 衣類のアイロン仕上げ、包装
- 和服・毛皮・じゅうたんなどの保管業務
- はっ水・防水加工・防虫加工・ひだの折り目加工などの各種加工
- 店舗の運営
学ぶ知識・技術
クリーニング師になるには、クリーニング師試験に合格するために下記の知識・技術を習得する必要があります。
- 学科試験
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- 衛生法規に関する知識
- 公衆衛生に関する知識
- 洗濯物の処理に関する知識
- 実技試験
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- ワイシャツのアイロン仕上げ
- 繊維の鑑別(5種類の繊維の鑑別)
- しみの鑑別としみ抜き(5種類のしみの鑑別、そのしみを落とすのに必要な薬品の選択)
資格取得後のクリーニング師研修とは
クリーニング所の業務に従事するクリーニング師は、3年を超えない期間ごとに「クリーニング師研修」を受講します。この研修は都道府県知事が指定したもので、クリーニング師の資質の向上を図ることを目的としています。
クリーニング師で目指せる職業、就職先は?
クリーニング師の国家資格の取得後は、クリーニング店を独立開業する、あるいは既に開業されたクリーニング店・工場のスタッフとして働くのが一般的な就職先です。
クリーニング師になるとどんな悩みが解決できる?
クリーニング師になると、自身の知識・技術を活かして、下記のような悩み・問題の解決に貢献できます。
- クリーニング師が解決できること
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- 衣類の預かり時に細かい汚れ・ダメージに気付くことで、適切なクリーニング方法を提供できる
- 衣類をドライクリーニング機あるいは水洗機にかけ、汚れを綺麗にする
- 衣類のしみ抜き・カビ取りをする
- 洗い上がった衣類をプレス機・アイロンなどで仕上げて美しくたたむ
クリーニング師の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
クリーニング師の国家資格を取得するには、クリーニング師試験に合格する必要がありますが、この試験を受けるには以下の条件を満たす必要があります。
クリーニング師試験の受験資格(下記のいずれかに該当する者)
- 中学校卒業以上の学歴がある者
- 厚生大臣が上記と同等以上の学力を有すると認定した者
取得にかかる費用
クリーニング師試験の受験にかかる費用は、各都道府県により異なります。東京都の場合は10,800円です。なお、合格に向けて試験準備講習会を受講したい場合、別途費用が必要になります(こちらの費用も、主催団体によって異なります)。
クリーニング師はどんな人におすすめの資格?
クリーニング師の資格取得がおすすめなのは、以下のような人です。
- クリーニング師の資格取得がおすすめな人
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- 体力に自信がある人(長時間の立ち仕事で、洗濯物も運んだりするため)
- 接客業務が苦ではない人
- 衣類を預かるとき、汚れを注意深く観察できる人
- 周囲のスタッフと連携をとりながら、期日までに作業をこなせる人
- 繊細な生地を丁寧に扱える人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
クリーニング師の国家資格を管理し、試験を実施しているのは、各都道府県の健康福祉部衛生指導課です。都道府県ごとに試験日程や会場、必要な申請手続きは異なるので、詳しくはお住まいの自治体のHPからご確認ください。
まとめ:老後まで安定的な職に就きたいなら、クリーニング師の資格取得がおすすめ
クリーニング師は、手に職を付けたい人におすすめの資格です。クリーニングやアイロンプレスの知識・技術をしっかり習得し、資格試験に合格すれば、自分のお店を持つことも可能になります。営業力も必要になりますが、老後まで安定して仕事を続けたい人は、ぜひ取得に向けてトライを!
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