フランス人のルイ・ブライユが発明した点字は、現代でもさまざまな国で視覚にハンディキャップがある人の暮らしをサポートしていますよね。この記事では「日盲社協社内検定試験(点字技能師)」について、学科試験と実技試験の概要、受験資格と受験費用などを解説します。
日盲社協社内検定試験(点字技能師)とは、どんな資格?
点字技能師とは、点字に関する卓越した知識・技術を習得したプロフェッショナルです。日盲社協社内検定試験は、点字技能師を認定し、点字関係職種の専門性と社会的認知度を高めること、点字の普及と点字の質の向上を図ること、視覚障害者に的確な情報を提供することを目的として実施されています。
点字技能師は厚生労働大臣が認定する資格であり、点字技能士の仕事によって、視覚障碍者の暮らしがより充実したものになることを目指しています。
学ぶ知識・技術
点字技能師の資格を取得するためには、学科試験と実技試験(点字化技能試験・校正技能試験)に合格する必要があります。
出題範囲は、学科試験と実技試験で下記のように定められています。
- 学科試験(試験時間:2時間、4者択一式)
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- 障害者福祉に関すること
- 視覚障害者福祉に関すること
- 視覚障害児者の教育に関すること
- 国語の文法的理解と読解力に関すること
- 点字の基礎と歴史、表記法に関すること
- 実技試験(試験時間:2時間30分)
- 日本語点字表記全般。なお、外国語、算数・理科・情報処理記号等は、一般書に見られる程度の内容については含めるが、いわゆる専門書の領域は含めないものとする
- 点字化技能試験の方法
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- 墨字使用者は、墨字問題文を点字化する
- 点字使用者の場合は墨字問題文を音声化したもの(カセットテープまたは一般CD)を聞いて点字化する
- 校正技能試験の方法
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- 墨字使用者は、点字問題文とその墨字原文とを照合し、点字問題文の中にある点字表記上の明らかな誤りを、「点字校正表」の形式で解答する
- 点字使用者は、点字問題文とその墨字原文を音声化したものとを照合し、点字問題文の中にある点字表記上の明らかな誤りを、「点字校正表」の形式で解答する
学科試験または実技試験のいずれかに合格した受験者は、「社内検定試験一部合格通知書」が送付され、「社内検定試験一部合格者台帳」に記録されます。次回受験では一部試験免除が可能です。
日盲社協社内検定試験(点字技能師)で目指せる職業、就職先は?
点字技能師の資格を取得すると、障害者支援施設や点字図書館への就職が見込めます。ただし点字技能士という専門職の求人は多くありません。
日盲社協社内検定試験(点字技能師)を取得するとどんな悩みが解決できる?
点字技能師の資格を取得すると、下記の悩みや課題の解決に貢献できます。
- 日盲社協社内検定試験(点字技能師)が解決できること
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- 点字の普及に貢献できる
- 点字を使用した出版物などの品質向上を支える
- ユニバーサルデザインの普及に貢献できる
日盲社協社内検定試験(点字技能師)の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
点字技能師試験の受験資格は、社会福祉法人日本盲人社会福祉施設協議会及び社会福祉法人日本視覚障害者団体連合において従事する労働者であり、点字資料製作に3年以上従事した者であることです。
取得にかかる費用
点字技能師の受験料は15,000円です。一部合格者の受験料は7,500円です。
日盲社協社内検定試験(点字技能師)試験の日程
点字技能師の試験は年に一回実施されます。試験会場は東京、大阪、福岡です。
日盲社協社内検定試験(点字技能師)はどんな人におすすめの資格?
点字技能師の仕事は、ユニバーサルデザインの実現を支えることができます。点字はさまざまな公共施設や出版物などにも使用されており、そのニーズはこれからも続いていきます。高い専門知識と技術を有した点字技能師は、これからも重宝されるでしょう。
一方で、点字技能士の求人は多くありません。点字技能士のスキルのみで就職や転職、独立を叶えるのは簡単ではありませんので、ほかのビジネススキルなども磨いておきましょう。
日盲社協社内検定試験に合格後は、点字通訳者として働いたり、ボランティアとして点字作成に携わることもできます。
- 日盲社協社内検定試験(点字技能師)の資格取得がおすすめな人
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- 点字通訳者を目指す人
- ユニバーサルデザインの分野で仕事をしたい人
- 点字資料製作業務に携わっている人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
点字技能師の資格は、社会福祉法人 日本盲人社会福祉施設協議会が主催しています。試験の詳細や申込については、下記URLから確認してください。
まとめ:点字通訳者やユニバーサルデザインに興味がある人におすすめ!
品質の高い点字を作成できると、誰もが暮らしやすい社会づくりを目指すユニバーサルデザインが実現され、社会貢献にもつながります。興味がある人は、日盲社協社内検定試験を受験してみてはいかがでしょう。
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