食に関する資格のひとつ「食生活アドバイザー」は、健康増進やダイエットなどに役立つ食の知識を有する人を指します。
食生活アドバイザーになるにはどんな試験に合格する必要があるか、資格の取得が役立つ仕事、受験資格、受験料などを解説します。
食生活アドバイザーとは、どんな資格?
食生活アドバイザーとは、食生活のスペシャリストであることを認定する資格です。食生活のスペシャリストとして、食生活アドバイザーには豊かな食生活の基盤づくりや社会が求めるスキルの習得が求められます。
食生活アドバイザーの資格は、レベルに応じて3級と2級に分かれています。
学ぶ知識・技術
希望者が受講できる食生活アドバイザー合格講座では、3級と2級に求められる能力を次のように定めています。
3級カリキュラム
- ウェルネス上手になろう
- 健康になるための3本柱である栄養・運動・休養の観点から健康をトータルに捉え、健康管理の基礎を学習する
- もてなし上手になろう
- 食習慣やマナー、テーブルコーディネーションなど、食事を旬や調理とともに美味しく、楽しくするための基本を学習する
- 買い物上手になろう
- スーパーやコンビニエンスストアの利用術を学び、賢い消費者になることを目指し、期限表示、食品表示や原産地表示、食の安全性について学習する
- 段取り上手になろう
- 食中毒予防やゴミ処理問題、リサイクル問題や環境問題について家庭の食卓をテーマに学習する
- 生き方上手になろう
- 流通、物流から小売の形態、裏舞台から表舞台までを食業界とともに、消費者の視点から学習する
- やりくり上手になろう
- 社会生活における情報を中心とした世の中のしくみを暮らしや経済とともに考え、日常生活の知恵にすることを学習する
2級カリキュラム
- 栄養と健康
- 健康全般に関しての幅広い知識を身に付け、トータルに健康をアドバイスするための方法や、現代人にとっての「健康」の意味について学習する
- 食文化と食習慣
- 日本伝統の行事食・旬・季節・食材の結びつき、食事のマナー・食配膳のルール・テーブルコーディネーションについて学習する
- 食品学
- 食品の期限表示、食品表示チェック、食品の分類と概要、環境問題と安全性・残留農薬・遺伝子組み換え食品・有機食品・食品添加物について学習する
- 衛生管理
- 食品衛生・食中毒の予防・食品化学や衛生管理における注意点、HACCP方式による安全な食べ方と衛生環境を学習する
- 食マーケット
- 「ミールソリューション」や「ホームミールリプレースメント」といわれる現代の食仕様の実態や食流通の実際、外食産業を中心としたフードサービスとメニューメイキングの方法を学習する
- 社会生活
- 暮らしの中の「ヒト・モノ・カネ・情報」を通した経済と消費のしくみ、消費者問題や環境問題、IT社会におけるこれからの消費生活について学習する
食生活アドバイザーの試験内容は、下記のように定められています。
- 3級理論問題
- 選択問題(マークシート形式 50問)
- 2級理論問題
-
- 選択問題(マークシート形式 42問)
- 記述式問題(13問)
試験科目は3級・2級共通、試験時間も各級ともに90分です。各科目では次の内容が出題されます。
- 栄養と健康
- 栄養素の働き、病気と食事の関わり、運動と休養などを学び、心と体の健康づくりをサポートすることを目的とする。栄養・病気予防・ダイエット・運動・休養などから出題。
- 食文化と食習慣
- 調理のコツや献立の工夫、行事と料理、テーブルマナーを心得て、暮らしの中の「食」を演出することを目的とする。行事食・旬・マナー・配膳・調理・献立などから出題。
- 食品学
- 食品の分類法を把握し、生鮮食品・加工食品の表示、アレルギー表示、栄養表示を読み解くことを目的とする。生鮮食品・加工食品・食品表示・食品添加物などから出題。
- 衛生管理
- 食中毒予防の決め手となる衛生管理。食生活の安全を守るために、具体的な対策をマスターすることを目的とする。食中毒・食品衛生・予防・食品化学・安全性などから出題。
- 食マーケット
- 流通の役割や小売の形態が多様化する中で、商品を正しく選ぶ目を養い、賢い消費者をめざすことを目的とする。流通・外食・中食・メニューメイキング・食品販売などから出題。
- 社会生活
- 身近な税金や法律、経済など「食」を取り巻く消費生活と社会のしくみについて理解を深めることを目的とする。消費経済・生活環境・消費者問題・IT社会・関連法規などから出題。
各級の合格基準は下記の通りです。
- 3級
-
- 1問2点
- 合格点60点以上(100点満点)
- 2級
-
- 選択問題1問2点・記述問題1問3点
- 合格点74点以上(123点満点)
食生活アドバイザーで目指せる職業、就職先は?
食生活アドバイザーの資格が直接的に就職・転職に役立つわけではありませんが、下記の職種の仕事に役立つでしょう。
- スーパーやデパートの食料品販売部門
- 飲食店
- 医療・福祉・介護
- 教育・食育
食生活アドバイザーを取得するとどんな悩みが解決できる?
食生活アドバイザーの資格を習得すると、下記の悩みや課題の解決に貢献できます。
- 食生活アドバイザーが解決できること
-
- 食品の栄養や管理に関する知識が身に付く
- 食を通した生活の充実をサポートする
- 食を通してビジネスを活性化させる
食生活アドバイザーの資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
食生活アドバイザーの試験の受験資格に制限はありません。
取得にかかる費用
食生活アドバイザーの試験の受験料は、各級・併願で下記のように定められています。
- 3級 5,000円
- 2級 7,500円
- 3級・2級併願 12,500円
食生活アドバイザーの合格講座受講料は下記のように定められています。
- 3級:12,000円(税込)
- 2級:18,000円(税込)
食生活アドバイザーはどんな人におすすめの資格?
食生活アドバイザーの資格は、食を通したQOL向上に役立ちます。仕事に活用できる知識はもちろんですが、家庭での食生活にも活かされます。
- 食生活アドバイザーの資格取得がおすすめな人
-
- 食を通したQOL向上に関心がある人
- 食に関する知識を深めたい人
- 調理師や栄養士
- 販売士
- ホームヘルパー
- トレーナー
- 保育士や教師
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
食生活アドバイザーの資格は、一般社団法人 FLAネットワーク協会が認定しています。試験の詳細や申込については下記HPから確認してください。
まとめ:食生活アドバイザーの資格はさまざまな仕事に活かすことができる
食生活アドバイザーになると、食品や食文化、食に関する問題に関する知識を習得していることを証明できます。仕事に活かすこともできますし、家庭での食事にも役立ちますよ。
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