近年はキャンプブームのおかげで、ソロキャンプやファミリーキャンプ、グループキャンプを楽しむ人が増えてきました。大自然の中で過ごすキャンプを安全に楽しむには、知識とスキルを持った指導者のサポートも必要です。
この記事では、キャンプインストラクターとキャンプディレクターの資格について講習会のカリキュラムなどを紹介します。
キャンプインストラクター・キャンプディレクターとは、どんな資格?
キャンプインストラクターは、キャンプのプログラム等の指導を行うための知識とスキルを有した良質なキャンプ指導者を認定する民間資格です。キャンプのプログラムでは、キャンプ場の設営や自然体験などのアクティビティが組み込まれます。
- キャンプインストラクター
- キャンパー個人やグループでキャンプを楽しむ人に対して、キャンプのプログラム等を指導するための能力を証明する資格
キャンプインストラクターからさらにスキルアップしたい人向けの、キャンプディレクター2級とキャンプディレクター1級の資格があります。
- キャンプディレクター2級
- キャンププログラムの企画・運営・評価など、実務的マネジメントを行う能力を証明する資格
- キャンプディレクター1級
- キャンプ事業全体をマネジメントし、キャンプに関わるスタッフへのスーパービジョン(助言・支援・指導)、組織運営を担う能力を証明する資格。キャンプインストラクター、キャンプディレクター2級の養成が可能(資格養成ができる課程認定団体に所属する必要あり)
学ぶ知識・技術
キャンプ指導者となるには、授業や養成講習会に参加して試験に合格する必要があります。授業や講習会は、全国の都道府県キャンプ協会、大学、専門学校、キャンプ団体といった課程認定団体によって開催されます。
キャンプインストラクター
キャンプインストラクターの資格を取得するには、養成講習会の受講と試験の合格、キャンプインストラクターの資格登録手続きが必要です。
キャンプインストラクター養成講習会の内容は下記の通りです。
- 理論(10時間)
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- キャンプの特性
- キャンプの対象
- キャンプの指導
- キャンプの安全
- 実技:様々なアクティビティ(5時間)
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- 野外ゲーム、キャンプソング、登山、ハイキング、キャンプクラフト、星座観察、自然観察、野鳥観察、冒険プログラム、イニシアティブゲーム、ニュースポーツ、創作芸術活動、雪上活動、地域研究、水辺活動、各種パッケージドプログラム、オリエンテーリング、ウオークラリー、サイクリング、採集活動、キャンプファイアー、ナイトプログラム
- 実技:キャンプの生活技術(4時間)
- テント設営、野外炊事、工具及び道具使用法、ロープワーク、天気予報、観天望気
- キャンプの安全(1時間)
実技の「様々なアクティビティ」と「生活技術」については、上記の内容のいずれかを含んだ講習が行われます。
キャンプディレクター2級
都道府県キャンプ協会や課程認定団体が実施する養成講習会の受講と試験の合格、日本キャンプ協会による審査への合格が必要です。合格後は、資格登録手続きを行います。
養成講習会は、40時間の通信講座(事前レポート)と20時間の集合研修(2泊3日、または1泊2日+日帰り1日程度)で行われます。
- キャンプディレクター2級養成講習会カリキュラム
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- キャンプとは(キャンプディレクター1級・2級共通)
- キャンプディレクターの役割とキャンプカウンセリング
- プログラムの安全管理
- プログラムのマネジメント(企画・運営・評価・改善)
キャンプディレクター1級
キャンプディレクター1級を取得するためには、養成講習会受講と修了、2日間の検定会への参加と合格する必要があります。検定に合格した後は、資格登録手続きを行います。
養成講習会は、44時間の通信講座(事前レポート)と36時間(2泊3日)の集合研修で行われます。
- キャンプディレクター1級養成講習会カリキュラム
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- キャンプとは(キャンプディレクター1級・2級共通)
- キャンプと社会
- キャンプの安全管理
- キャンプのマネジメント
- キャンプ指導者の研修と養成
キャンプインストラクター・キャンプディレクターで目指せる職業、就職先は?
キャンプインストラクター・キャンプディレクターの資格を取得すると、下記の業界への就職や転職で自己アピールにつながります。
- 自然体験施設
- キャンプ場を運営している宿泊施設や企業
- アウトドア用品店
キャンプインストラクター・キャンプディレクターを取得するとどんな悩みが解決できる?
キャンプインストラクター・キャンプディレクターの資格を取得すると、下記の悩みや課題の解決に貢献できます。
- キャンプインストラクター・キャンプディレクターが解決できること
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- キャンパーが自然の中で安全に過ごせるよう指導する
- キャンプ初心者でも、テント設営や野外炊事ができるようにサポートできる
- アクティビティを企画・運営し、キャンプの楽しみ方を広げる
キャンプインストラクター・キャンプディレクターの資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
キャンプインストラクター・キャンプディレクターになるには養成講習会の受講が必要ですが、養成講習会の受講要件は下記のように定められています。
- キャンプインストラクター養成講習会受講要件
- 18歳以上であること
- キャンプディレクター2級養成講習会受講要件
- キャンプインストラクターの資格取得後、アウトドア活動参加経験2回以上と1泊以上のキャンプ指導経験1回以上を満たすこと
- キャンプディレクター1級養成講習会受講要件
- キャンプディレクター2級の資格取得後、1泊以上のキャンプ指導経験2回以上を満たすこと。検定会の受験回数には制限があり、講習修了後、講習受講年度を含め4年度まで受検可能
取得にかかる費用
キャンプインストラクター・キャンプディレクターの資格取得にかかる費用は下記のように定められています。
- キャンプインストラクター
- 15,300円(内訳:受験料1,100円、公認料1,100円、登録料1,100円、入会金5,000円、年会費・日本協会3,000円、都道府県協会2,000円、事務手数料2,000円)※受験料、公認料、登録料、入会金、事務手数料は初年度のみ
- キャンプディレクター2級
- 11,000円(内訳:受験料3,000円、公認料5,000円、登録料2,000円、+消費税)
- キャンプディレクター1級
- 8,800円(内訳:公認料5,000円、登録料3,000円、+消費税)
キャンプインストラクター・キャンプディレクターはどんな人におすすめの資格?
キャンプインストラクター・キャンプディレクターは、キャンプが好きでその魅力を伝えたい人におすすめの資格です。仕事としてキャンプの指導や企画運営をすることにも役立ちますが、ボランティアとしてキャンパーのサポートをしたい人が資格を活用することもあります。
キャンプやアウトドア活動を指導・運営するには、体力が必要です。体を動かすことや自分の力で物事をいちから準備するのが好きな人は楽しめるでしょう。
- キャンプインストラクター・キャンプディレクターの資格取得がおすすめな人
-
- キャンプや自然の魅力を伝えたい人
- 仕事でキャンプの運営や企画を担当する人
- ボランティア活動でキャンプの指導を行う人
- 体力に自信がある人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
キャンプインストラクター・キャンプディレクターの資格を管理しているのは、公益社団法人 日本キャンプ協会です。養成講習会の詳細や申込については、下記HPから確認してください。
まとめ:安心・安全なキャンプをサポートし、魅力をたくさんの人に伝えよう
大自然の中で楽しむキャンプは、十分な知識やスキルがないとケガのリスクがあったり、道具をうまく使いこなせないことがあります。キャンプの難しさに直面するキャンパーに対して、キャンプインストラクター・キャンプディレクターはサポートを行えます。キャンプが好きな人や魅力をたくさんの人に知ってもらいたい人におすすめの資格です。
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