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技術英語能力検定(旧:工業英検)の資格を取るとどんなメリットがある?

論文を翻訳をする技術英語能力検定資格保有者 キャリアアップ

研究者やエンジニアは国外の論文から情報を取得することが多く、専門的な英語力が必要とされます。技術英語能力検定(旧:工業英検)は、科学・技術分野の英語の語彙や文書理解・作成能力を問う試験です。

この記事では、技術英語能力検定(旧:工業英検)の試験概要や資格取得が役立つ職業などについて紹介します。

技術英語能力検定(旧:工業英検)とは、どんな資格?

技術英語能力検定とは、2020年に名称が工業英語能力検定(工業英検)から変更された試験で、科学技術に関する文書を読み書きする能力を評価する検定です。技術英検とも呼ばれています。

英語の検定はほかにも複数ありますが、技術英検は理学や工学分野などで使用する英語に関する語学力を問う試験です。エンジニアや科学技術の論文の翻訳者の英語能力を客観的に採点します。

技術英検は、5段階にレベル分けされています。

技術英検の5段階のレベル分け
  • プロフェッショナル(旧 工業英検1級レベル)
  • 準プロフェッショナル(旧 工業英検2級レベル)
  • 1級(旧 工業英検準2級レベル)
  • 2級(旧 工業英検3級レベル)
  • 3級(旧 工業英検4級レベル)
プロフェッショナル、準プロフェッショナルに求められる能力
科学・技術分野の英語文書に関して、読んで理解することができ、かつ正しく明確に簡潔に書くことができるレベル。マニュアル・仕様書・論文など文書の性質によって英語文書のスタイルが異なることを理解し、正しく使いわけることができる。
1級、2級、3級に求められる能力
1級、2級、3級は、科学・技術に関する英文を読むことができる。英文資料の要約、議事録、英文E-mail等の短文が書ける。

技術英検は、科学・技術分野の研究者や企業のエンジニア、科学・技術文書の作成・翻訳に携わる人、科学・技術分野の翻訳者などが受験しています。工業高校や高等専門学校、大学などの生徒や学生も受験しています。

学ぶ知識・技術

技術英検を取得するためには、試験に合格する必要があります。

技術英検プロフェッショナルの試験概要
  1. 英語長文(800words前後)の英文要約
  2. 和文(200~300文字)英訳
  3. 冗長和文(500文字)の英文要約
  4. テクニカルライティングの考え方
  5. 冗長英文のリライト
プロフェッショナル(旧 工業英検1級レベル)の合格基準
合計で75%点以上の正解(150点以上)。ただし、得点が50%未満の解答が1問でもあると、合計得点に関わらず不合格
準プロフェッショナル(旧 工業英検2級レベル)の合格基準
合計で60%以上の正解(120点以上)
1級(旧 工業英検準2級レベル)の試験概要
  1. 英単語英文解説
  2. 英文空所補充1
  3. 短文リライト
  4. 英文空所補充2
  5. 英文(70〜80words程度)和訳
  6. 和文(100〜130字程度)
合格基準
合計で60%以上の正解 (120点以上)
2級(旧 工業英検3級レベル)の試験概要
  1. 語彙(英語から日本語)
  2. 語彙(日本語から英語)
  3. 語彙解釈
  4. 英文空所補充1
  5. 英文空所補充2
  6. 英文和訳
  7. 英作文
合格基準
合計で60%以上の正解(120点以上)
3級(旧 工業英検4級レベル)の試験概要
  1. 英文和訳
  2. 語彙(英→日)
  3. 英作文1
  4. 英文空所補充1
  5. 英作文2
  6. 英文空所補充2
  7. 語彙(日→英)
合格基準
合計で60%以上の正解(120点以上)

技術英語能力検定(旧:工業英検)で目指せる職業、就職先は?

技術英検を取得すると、科学・技術分野のエンジニア職や大学などの研究機関への就職や転職の自己アピールにつながるでしょう。また、科学・技術分野の文書の翻訳会社への就職を希望する人は、翻訳能力を客観的に証明することができます。

技術英語能力検定(旧:工業英検)を取得するとどんな悩みが解決できる?

技術英検を取得すると、下記の悩みや課題の解決に貢献できます。

技術英語能力検定(旧:工業英検)で解決できること
  • 工学部の学生が、技術検定合格によって単位認定されることがある
  • エンジニアなど技術職で、現場で使える技術英語の習得ができる
  • 科学・技術分野に特化した専門的な翻訳をすることができる
  • エンジニアが使用する英語文書を正しく理解または翻訳することで、重大な事故を防ぐ

技術英語能力検定(旧:工業英検)の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)

技術検定の受験資格に、年齢や学歴、実務経験などの制限はありません。

取得にかかる費用

技術英検の受験費用は、下記のように定められています。

プロフェッショナル((旧 工業英検1級レベル))・準プロフェッショナル(旧 工業英検2級レベル)
  • 16,500円(税込)
1級(旧 工業英検準2級レベル)
  • 6,400円(税込)
2級(旧 工業英検3級レベル)
  • 一般受験:5,300円(税込)
  • 団体受験:4,800円(税込)
3級(旧 工業英検4級レベル)
  • 一般受験:2,600円(税込)
  • 団体受験:2,500円(税込)

技術英語能力検定(旧:工業英検)はどんな人におすすめの資格?

技術英検は、英検やTOEICなどと比べて科学・技術分野のに特化した英語力を問う試験です。そのため、科学・技術分野のエンジニアや研究者、専門的な翻訳者におすすめの資格です。難解な英語の語彙力や文書作成スキルも必要とされます。

日本の科学技術力の発展を支える能力でもあります。また、科学・技術に関する情報を誤って読み取ると、仕事や研究で重大な事故やミスを引き起こしかねません。責任を持って正確に文書を読み取る集中力も必要でしょう。

プロフェッショナル、準プロフェッショナルの資格取得がおすすめな人
  • 科学・技術分野の論文の執筆・指導に携わる人
  • 科学・技術分野の英語文書の翻訳者
  • 科学・技術分野の英語文書の翻訳者を目指す人
1級、2級、3級の資格取得がおすすめな人
  • 科学・技術分野の英語文書に携わる人や興味のある人
  • 科学・技術分野の技術者・研究者
  • 技術系の会社で働くエンジニア
  • 理工系分野の生徒や学生
  • エンジニアや研究者を目指す生徒・学生
  • 科学・技術分野の翻訳者を目指す人

どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)

技術英検の試験を実施しているのは公益社団法人 日本技術英語協会で、文部科学省の後援を受けています。

試験の詳細や申込については下記HPから確認してください。

▼ 公益社団法人 日本技術英語協会

まとめ:エンジニアや研究者などが科学・技術分野の英語力を証明できる資格

2020年に、技術英語能力検定(旧:工業英検)は工業英語能力検定(工業英検)から名称が変更されました。各級の名称や試験内容に変更が生じていますが、科学・技術分野に携わるエンジニアや研究者、翻訳者が実務的な英語力を証明できる資格であることに変わりはありません。論文など最新の情報を得るためにも、是非チャレンジしてみてくださいね。

2022年度版 技術英検1級問題集
技術英検1級の公式問題集。過去問4年分が網羅されています。自分のレベルチェックなどにおすすめ。
2022年度版 技術英検2級問題集
技術英検2級の公式問題集。過去問4年分が網羅し、3級の見直しも可能。試験前のレベルチェックにおすすめ。

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