経理や財務の担当者は各種の税法に関する知識も必要。この記事で紹介する「所得税法能力検定」では、日々の業務に役立つ知識やスキルが問われます。税理士と公認会計士を目指す人にとってもおすすめの理由がありますので、資格概要をチェックしていきましょう。
所得税法能力検定とは、どんな資格?
所得税法能力検定とは、所得税の税務処理に関する知識、実務での応用的税務処理といった、所得税に関する計算を問う検定試験です。所得税法能力検定の受験を通して、下記のことを学習できます。
- 源泉徴収
- 確定申告の基本的な考え方
- 個人事業主が自分で確定申告を行うこと
- その他税務署への提出書類作成 など
所得税法能力検定には、1級・2級・3級があります。1級が最も難易度の高い級数です。
- 1級
- 確定申告実務を行う者や将来税理士・公認会計士を目標とする者として、所得税法における各規定の意義を理解し、それぞれの規定に基づいた計算を行い、税務上適正な所得税の申告書を作成する能力を持つ
- 2級
- 所得税法の規定や基本的な考え方に基づき、一般的な項目についてその考え方を理解し、これらの項目を含めた所得税の申告書に従った所得金額や所得税額の計算する能力を持つ
- 3級
- 所得税法の学習の導入部と位置付け、所得税法における基本的な内容を出題する。所得税法の規定や基本的な考え方を理解し、基本的な項目に限定すれば所得税の申告書に従った所得金額や所得税額の計算する能力を持つ
学ぶ知識・技術
所得税法能力検定を取得するためには、筆記試験に合格する必要があります。1科目100点満点で、全科目得点70点以上で合格です。
試験では下記の項目から問題が構成されます。
- 所得税法能力検定の試験内容
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- 所得税のしくみ
- 各種所得の金額の計算
- 事業所得の金額の計算と会計処理
- 給与所得の金額の計算法令
- 青色申告制度
- 法令等
- 総則
- 居住者の納税義務
- 源泉徴収等についての文章問題・仕訳問題・計算問題
所得税法能力検定で目指せる職業、就職先は?
所得税法能力検定を取得すると、経理・財務の職種への就職・転職において、所得税に関する知識を取得していることを証明できます。経理・財務への就職・転職を目指す場合は、簿記2級以上の資格取得もおすすめです。
所得税法能力検定を取得するとどんな悩みが解決できる?
所得税法能力検定を取得すると、下記の悩みや課題の解決に貢献できます。
- 所得税法能力検定が解決できること
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- 所得税に関して正しい計算で処理を行うことができる
- 企業や組織において、適正な会計処理を行える
- 確定申告の書類作成で知識を活かせる
所得税法能力検定の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
所得税法能力検定の受験資格に制限はありません。
取得にかかる費用
所得税法能力検定の受験料は、各級で下記のように定められています。
- 1級:3,500円(税込)
- 2級:2,700円(税込)
- 3級:2,300円(税込)
所得税法能力検定の日程
所得税法能力検定は、年に3回試験が実施されます。実施回によって試験が行われる級と行われない級がありますので、よく確認してください。
所得税法能力検定はどんな人におすすめの資格?
所得税法能力検定の合格率は3級は80%を超えており、準備をすればしっかりと合格できるでしょう。2級はやや難易度が上がり、60~80%の合格率になります。1級の難易度は非常に高く、10%以下あるいは5%以下の回もありますので、入念な試験対策が必須です。
所得税法能力検定は、経理担当者・財務担当者におすすめの資格です。個人事業主はご自身の所得の計算が必要になりますので、所得税法能力検定受験を通して知識を体系的に習得できるでしょう。
ファイナンシャルプランナーの仕事にも所得税の知識が役立ちます。相談に対して適切に応えるためにも、所得税法能力検定で学習するという方法はおすすめです。また、税理士と公認会計士を目指す人にとっては、試験勉強と資格取得を兼ねることができます。
- 所得税法能力検定の資格取得がおすすめな人
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- 経理担当者
- 財務担当者
- 個人事業主
- ファイナンシャルプランナー
- 税理士を目指す人
- 公認会計士を目指す人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
所得税法能力検定を主催・運営しているのは、公益社団法人 全国経理教育協会です。本資格認定事業は、内閣府公益事業として認定されています。
試験の詳細や申込については、下記URLから確認してください。
まとめ:所得税法能力検定は経理・財務におすすめ!1級は好難易度
所得税法能力検定はご自身のキャリアに役立ちそうでしたか?これから経理・財務で働く人は3級から、すでに経験がある人は2級・1級を目指すのがおすすめですよ。
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