家政婦や家事代行サービスをテーマにしたドラマがヒットするなど、家事のプロフェッショナルに注目が集まっています。この記事では家政士検定試験について、検定試験の概要や受験費用、受験資格、男性の家政士に対するニーズなどを解説します。
家政士とは、どんな資格?
家政とは衣食住などに関わる家事全般を指します。家政士とは、家事に関するサービスや家事支援業務のプロフェッショナルです。家政士の資格は公益社団法人 日本看護家政紹介事業協会が主催しており、家事支援に関する専門知識、技術を習得した人に家政士の資格を授与しています。また、家政士の資格を認定しているのは厚生労働省です。
学ぶ知識・技術
家政士の資格を取得するには、家政士検定試験に合格する必要があります。
家政士の学科試験
家政士の学科試験は、多枝択一式問題40問、解答時間60分で実施されます。試験の出題範囲は下記の通りです。
- Ⅰ家事サービス実務のうち衣・食・住の各生活サービスに関する詳細な知識
-
- 衣生活サービス
- 食生活サービス
- 住生活サービス
- Ⅱ介護サービス実務のうち身体介護サービスに関する詳細な知識
-
- 身体介助
- 認知症ケア
- Ⅲ 子育て支援サービス実務のうち日常生活のサービスに関する詳細な知識
-
- 基礎知識
- 日常生活のケア
- 食事のケア
- 子どもの安全管理
- Ⅳ 家政サービス実施に当たっての基本事項
学科試験40 点満点で、80%以上の得点で合格となります。
実技試験
家政士の実技試験は、下記のように構成されています。
- 作業の段取り(一問一答形式:5分)
- 接遇
- 家事サービス
-
実技1【衣】、実技2【食】、実技3【住】のうちから、いずれか1科目の実技が出題されます。
- 実技1【衣】制限時間:10分
- 実技2【食】制限時間:10分
- 実技3【住】制限時間:10分
実技試験150 点満点で、70%以上の得点で合格です。
家政士で目指せる職業、就職先は?
家政士の資格を取得すると、家政婦やハウスキーパー、家事代行の企業への就職を見込めます。また、経験を積めばフリーランスの家政婦として活躍するキャリアパスも描けるでしょう。
家政士を取得するとどんな悩みが解決できる?
家政士の資格を取得すると、下記の悩みや課題の解決に貢献できます。
- 家政士が解決できること
-
- 家事支援を通して、暮らしの安心やQOL向上に貢献できる
- 共働き世帯や介護世帯など、家事をこなすのが難しい家庭の家事業務をサポートできる
- 体力のいる家事などで、高齢者のサポートができる
家政士の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
家政士検定試験の受験資格は、下記の4項目のうちいずれかひとつを満たす必要があります。
- 日本看護家政紹介事業協会(以下、協会)の会員紹介所の求職登録者であり、職業安定法施行規則附則に規定する家政婦(夫)の業務に5年以上従事した者(下記②の期間を合算して5年以上の者も可)。ただし、従事した各年の実勤務日が100日以上ある者に限る(下記②の日数を合算して各年100日以上ある者も可)
- 協会の会員紹介所が、介護保険制度における指定事業所として認定を受けており、当該指定事業所に雇用されている者で、当該介護業務に5年以上従事した者(上記(1)の期間を合算して5年以上の者も可)。ただし、従事した各年の実勤務日が100日以上ある者に限る(上記①の日数を合算して各年100日以上ある者も可
- 協会の会員紹介所の求職登録者であり、かつ、①に定める者と同等の経験、能力を有すると当該紹介所長が認めた者
- 介護関連事業、保育関連事業、家事支援サービス事業等に雇用され5年以上の実務経験がある者、主婦(夫)等の家事、介護、育児等の経験のある者や大学・大学院、短大、職業能力開発施設等の家政関連学科・課程等の卒業生または在学生で、上記①から③までに定める者と同等の経験、能力を有すると認められる者
なお、学科試験または実技試験のいずれかに合格した人は、合格発表日から4年以内に行われる家政士検定試験を受験する場合、合格した科目の試験が免除されます。ただし免除を希望する人は申請する必要があります。
取得にかかる費用
家政士検定試験の受験手数料は、13,000円です。ただし、協会の特別会員は、会員割引で9,000円で受験可能です。また、受験資格の④に定める大学、大学院、短大、職業能力開発施設、専門学校、専修学校等の家政関連学科・課程等の在学生は、学生割引が適用され、受験料が6,000 円となります。
科目免除者の受験手数料は、6,500 円(協会の特別会員は会員割引適用で4,500円)です。ただし平成30年度以前に、学科試験または実技試験のいずれかに合格した人の受験料は、6,000円(協会の特別会員は4,000 円)となります。
家政士はどんな人におすすめの資格?
日本は諸外国と比べると、家事は自分で行うものというイメージが強いものでした。ところが近年は、共働き世帯や子育て世帯、介護世帯などを中心に家事を外注するという選択肢が広まってきました。独身世帯でも、仕事が多忙な場合に家政婦や家事代行サービスを利用することがあります。
そのため、専門知識とスキルを習得した家政士の活躍が期待されています。プロとして家事をこなすために、掃除や洗濯、料理など幅広い家事に関する高いスキルが求められるでしょう。家政士の仕事は依頼者の自宅を訪問することも多いため、プライバシーや個人情報への配慮、法律順守も必須です。
家事というと女性が行うものと思われるかもしれませんが、家事には体力が必要であり、時には重い家具を運ぶ必要もあります。そのため、男性の家政士も業界では重宝されます。
- 家政士の資格取得がおすすめな人
-
- 家事に関するスキルアップを目指す人
- 家事に関する仕事に就きたい人
- 仕事を丁寧に、誠実に行える人
- プライバシー保護や個人情報保護に関する責任感が強い人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
家政士の資格を認定しているのは、公益財団法人 日本看護家政紹介事業協会です。試験の詳細や申込については下記URLから確認してください。
まとめ:家政士はこれからもニーズが高まることが予想される資格!
家事のプロフェッショナルとして活躍できる家政士。就職・転職に役立つ資格であるだけでなく、経験を積めばフリーランスとしてのキャリアも描けるでしょう。関心がある人は、ぜひ家政士検定試験にチャレンジしてくださいね。
コメント