映像や音楽を駆使したデジタルコンテンツを制作する仕事が増えてきていますよね。この記事ではICTやデジタルなどに関する知識を問う「マルチメディア検定」について、エキスパートとベーシックの違い、資格取得が役立つかどうかを解説します。
マルチメディア検定とは、どんな資格?
マルチメディア検定とは、映像や音楽、文字などの幅広い情報媒体(メディア)に関して、デジタルコンテンツや情報技術の基本的な知識、日常生活や社会へのマルチメディアの応用について測定する検定試験です。
マルチメディアに関する知識は、現代のビジネスでは必須の基礎知識となりました。IT企業やエンジニア、プログラマーでなくとも、マルチメディアは身近な情報技術であり、これらの知識を習得することでIT化やデジタル化により柔軟に対応できるようになるでしょう。
マルチメディア検定では、エキスパートとベーシックの2種類のレベル分けがされています。
- エキスパート
- マルチメディアを用いたネットワーク技術・コミュニケーション技術・プレゼンテーション技術についての専門的な理解、アプリケーションシステム、製品開発のビジネスに知識を応用する能力を測定する試験
- ベーシック
- マルチメディアの扱い方とインターネットを用いたコミュニケーション技術に関する基礎的な理解、多様な生活の場面で知識を利用する能力を測定する試験
学ぶ知識・技術
マルチメディア検定の資格を取得するには、試験に合格する必要があります。
エキスパート
エキスパートは2種類のレベルのうち、上級に当たります。試験範囲は下記のように構成されています。
- 人間の知覚とヒューマンコンピュータインタラクション
- マルチメディア情報を扱ううえでの、人間の感覚機能とディジタルコミュニケーションについての基本的な知識
情報の伝達とメディアの役割 -
- 感覚と知覚
- 視覚
- 聴覚
- 触覚・力覚
- 記憶と学習
- コミュニケーションのしくみとデザイン
- ヒューマンコンピュータインタラクション
- マルチメディアの処理技術
- 文書、音声と音響、色、画像、動画などのメディアの処理技術についての基本的な知識
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- マルチメディアの特徴
- 文書
- 音声と音響
- 色
- 画像
- 図形
- 3次元CG
- 映像とアニメーション
- コンピュータのしくみと技術
- コンピュータのハードウェアとソフトウェア、仮想化技術やクラウドなどのサーバやネットワークの周辺技術についての基本的な知識と、それらを構築するためのプログラミングやデータベースの基礎知識
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- ハードウェア
- ソフトウェア
- 仮想化
- クラウド
- プログラミング
- データベース
- ネットワークと通信
- コンピュータネットワーク、インターネット、伝送のための無線通信と、これらのセキュリティについての基本的な知識
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- コンピュータネットワーク
- インターネット
- 無線通信
- ネットワークセキュリティ
- 電話と携帯端末
- 放送と通信
- マルチメディアアプリケーションの実現
- マルチメディア情報を処理し、アプリケーションをサービスとして構築し運用するための技術についての基本的な知識
- アプリケーションの目的・実例・構成・開発・運用
- インターネットの応用
- インターネットを応用した技術とさまざまなサービスやビジネス、その利用についての基本的な知識
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- コミュニケーションツール
- 情報の共有
- ネットビジネス
- マーケティング
- 社会に広がるマルチメディア
- 情報通信技術(ICT)が生活に与える影響や、ICTの応用例、セキュリティと情報リテラシについての基本的な知識
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- 生活を豊かにするICT
- ICTと情報機器の応用
- 交通
- ネットワーク社会
- 情報リテラシ
- セキュリティ対策
- 知的財産権
- 知的財産権についての基本的な知識
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- 知的財産権
- 著作権
- 産業財産権と不正競争防止法
ベーシック
ベーシックは、マルチメディア検定の基礎レベルに位置付けられる資格です。マルチメディアの初心者におすすめといえます。
- マルチメディアの特徴
- ディジタルとは何か、マルチメディアを構成する画像や音などの要素、ヒューマンインタフェースと双方向性(インタラクティブ)、マルチメディアを扱ううえでの人間の感覚機能についての基礎知識
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- アナログとディジタル
- マルチメディアを構成する要素
- ヒューマンインタフェース
- 人間の感覚
- ディジタル端末
- マルチメディアコンテンツの操作、作成、視聴などに用いるパーソナルコンピュータやスマートフォンなどのディジタル端末についての基礎知識
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- マルチメディアを扱う端末
- コンピュータの構成
- オペレーティングシステム
- ポータブル記録メディア
- コンテンツ制作のためのメディア処理
- 文書や画像、音、映像、Webなどを加工し、編集や発信をするための基礎知識
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- ファイルフォーマット
- 文書の作成
- 画像の処理
- 映像や音声の編集と再生
- 3次元CGの作成
- Webページの作成
- インターネットと通信
- インターネットと通信についての基礎知識
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- インターネットのしくみと役割
- インターネット接続
- ブロードバンドネットワーク
- モバイル通信
- インターネットで提供されるサービス
- インターネットで提供されるサービスと、それを用いたコミュニケーションについての基礎知識
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- WWW(World Wide Web)
- コミュニケーションサービスやツール
- インターネット上で提供されるサービス
- インターネットビジネス
- オンラインショッピングや金融サービス、コンテンツ配信、広告などのインターネットビジネスについての基礎知識
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- オンラインショッピング
- 金融サービス
- コンテンツ配信
- 広告とマーケティング
- ディジタルとネットワークで進化するライフスタイル
- 情報通信技術(ICT)の普及による生活の変化、とくにディジタル放送やテレビなどのマルチメディア機器、ロボットなどについての基礎知識
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- 情報家電
- テレビと映像コンテンツ
- サービスロボット
- ゲーム機の変化
- 社会に広がるマルチメディア
- 産業分野や公共サービスなど社会に広がるマルチメディアと、ICTを扱ううえでのセキュリティや情報保護などについての基礎知識
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- ICカード
- 街角のマルチメディア
- 交通
- 医療と福祉
- 学術と文化
- 行政と政治
- セキュリティ
- 個人情報の保護
- 知的財産権
- 知的財産権についての基礎知識
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- 知的財産権
試験は100点満点のうち70点以上で合格となります。ただし試験の難易度によって合格規準に調整が入ることもあります。
マルチメディア検定で目指せる職業、就職先は?
マルチメディア検定の資格を取得すると、IT業界やWeb業界、特にデジタルコンテンツ制作業界への就職や転職に役立ちます。それ以外の企業でも、ICTやデジタル、デジタルコンテンツに関する知識を習得していることをアピールできます。
ただし就職や転職に役立てる場合、エキスパートの取得を目指すのが安心です。
マルチメディア検定を取得するとどんな悩みが解決できる?
マルチメディア検定の資格を取得すると、下記の悩みや課題の解決に貢献できます。
- マルチメディア検定が解決できること
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- ICTやデジタルに関する基礎知識を固め、ビジネスに役立てることができる
- 独立開業する際に、ICTやデジタルに関する知識を習得している証明になる
- マルチメディアを活用した魅力あるコンテンツ制作に役立つ
マルチメディア検定の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
マルチメディア検定の受検資格に制限はありません。
マルチメディア検定試験の受検費用
マルチメディア検定試験の検定料は、ベーシックが5,600円、エキスパートが6,700円です。
マルチメディア検定試験の日程
年に2回、前期と後期で試験が実施されます。試験の開催場所は、20都道府県です。
マルチメディア検定はどんな人におすすめの資格?
マルチメディア検定は誰でも試験にチャレンジできる民間資格です。マルチメディアはほとんどの現代人にとって身近なテクノロジーのため、ICTやデジタルに関する知識は、ビジネスにおける課題抽出・課題解決、デジタルの視点を活かした企画作りなどさまざまな局面で活かすことができます。
ICTやデジタル技術は日々発展していますので、マルチメディア検定を取得しつつ、自身の知識や経験をブラッシュアップするのがおすすめですよ。
- マルチメディア検定の資格取得がおすすめな人
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- IT業界やWeb業界への就職・転職を目指す人
- デジタルコンテンツ制作に関心がある人
- 将来的に独立・開業を考えている人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
マルチメディア検定の認定を行っているのは、公益財団法人 画像情報教育振興協会(CG-ARTS)です。試験の詳細や申込については下記URLから確認してください。
まとめ:ICTやデジタルコンテンツに携わる人に役立つ!
マルチメディア検定は、ICTやデジタルコンテンツに関する仕事に就いている人におすすめの資格です。業種や職種を問わず役立つ知識が学べますので、まずはベーシックから受検してみてはいかがでしょう。
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