日本酒に携わる仕事をしていたり、日本酒が好きな人におすすめの資格が「唎酒師(きき酒師)」です。
この記事では、唎酒師(きき酒師)になるにはどんな知識が必要か、5種類のコースの違い、受講料などを解説します。
唎酒師(きき酒師)とは、どんな資格?
唎酒師とは、日本酒を美味しく飲むための知識やスキルを取得した有資格者です。NPO法人FBOが公認する提供販売者の資格でもあります。
唎酒師の資格は1991年に制定され、日本酒提供者や販売者を中心に4万人以上が認定を受けてきました。
唎酒師には日本酒に関する知識はもちろん、日本酒を用いたもてなしなども求められます。
学ぶ知識・技術
唎酒師になるには、次の知識を習得し、試験に合格する必要があります。知識には、香りや味わいに関する香味特性別分類(4タイプ)も含まれます。
- 日本酒の基礎知識Ⅰ~Ⅶ
- 日本酒のセールスプロモーションⅠ~Ⅳ
唎酒師の資格取得の方法は、次の5つのコースがあります。
- eラーニングコース
- 教材は自宅に届き、オンラインで資格取得が完結するコース。課題提出は4回。最短で1.5か月で資格取得可能。
- 通信コース
- 教材は自宅に届き、自宅で資格取得が完結するコース。課題提出は月一回×3回。
- 2日間集中コース
- 日程は、1日目は9:30~20:30、2日目は8:30~16:20までの最短コース。会場で学習した後に試験受験となり、合格すれば2日間で資格取得可能。
- 1日通学コース
- 日程は8:30~18:00で、会場受講・受験するコース。試験日は任意選択。
- オンデマンド受講コース
- 自宅に届いた教材を使用しながら講義動画を視聴し、在宅試験を受験するコース。
唎酒師の試験の内容は、下記のように構成されています。
第1次試験 (試験時間:50分間)
FBO認定会員は、第1次試験は免除されます。ただしFBO認定会員の場合でも、国際唎酒師等、SSI International認定資格のみの保有者は免除の対象になりません。
料飲サービス検定合格者(合格後3年間に限る)も、免除の対象になります。
- 筆記(選択式、一部記述式)
-
- 出題範囲:『新訂 もてなしの基』
- もてなしの心、接客のあり方などに関する設問および食品・飲料全般の基礎知識に関する設問
第2次試験 (試験時間:50分間)
- 筆記(選択式、一部記述式)
-
- 出題範囲:『新訂 もてなしの基』
- 日本酒の基礎知識(商品特性・原料・製法・表示・歴史・香味特性別分類)に関する設問
- 日本酒の提供・販売面における問題点と解決策
- 日本酒の基礎知識(原料、製法、表示、歴史、香味特性別分類(4タイプ)、テイスティング、サービス)
第3次試験 (試験時間:50分間)
- テイスティングを伴う筆記(一部記述式)
-
- 出題範囲:『新訂 もてなしの基』『テイスティングノート』
- 日本酒の提供・販売を行う上で必要不可欠なテイスティング能力
- 日本酒の品質の評価、個性の抽出(香味特性別分類含む)および劣化した状態の日本酒の品質判定に関する設問
- 日本酒の品質の評価と個性の抽出(香味特性別分類(4タイプ)含む)
- 劣化した状態の日本酒の品質判定
第4次試験 (試験時間:50分間)
- 筆記(記述式)
-
- 日本酒のサービス、セールスプロモーションに関する設問(季節別、香味特性別分類(4タイプ)別の企画立案を含む)
- 日本酒の季節別セールスプロモーションの企画立案
- 香味特性別分類(4タイプ)別セールスプロモーションの企画立案
唎酒師(きき酒師)で目指せる職業、就職先は?
唎酒師の資格を取得すると、下記の業種への就職や転職で自己アピールに役立つでしょう。
- 飲食店
- 小売業・卸業
- お酒や食品に関わるメーカー
- 観光業
唎酒師(きき酒師)を取得するとどんな悩みが解決できる?
唎酒師の資格を取得すると、下記の課題や悩みの解決に貢献できます。
- 唎酒師(きき酒師)が解決できること
-
- 日本酒の魅力を国内外に伝える
- 日本酒の小売や提供などにおいて、高い品質管理を行う
- 日本酒の楽しみ方を開発・考案できる
唎酒師(きき酒師)の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
唎酒師の資格取得には、コースの受講と試験の合格が必要です。コースに初めて申し込みをする場合は、受験のみの申込はできません。
受講は、20歳以上であれば誰でも可能です。ただし唎酒師のコースの受講にはFBO認定会員への入会が必要となります。
取得にかかる費用
唎酒師コースの受講費用はそれぞれ次のように定められています。
- eラーニングコース:128,700円~
- 通信コース:138,300円~
- 2日間集中コース:139,100円~
- 1日通学コース:118,700円~
- オンデマンド受講コース:136,700円~
再受験料は下記のように定められています。
- 再受験料
-
- 在宅試験:30,000円
- 会場試験:12,000円
- 再受験料(FBO認定会員)
-
- 在宅試験:24,000円
- 会場試験:6,000円
唎酒師(きき酒師)はどんな人におすすめの資格?
唎酒師の資格は、提供販売者などお酒に関わる仕事をしている人におすすめの資格です。サービスの向上やスキルアップに役立つでしょう。
資格取得には学歴や実務経験の制限がありませんので、プライベートや趣味の充実として受験するのもおすすめです。
- 唎酒師(きき酒師)の資格取得がおすすめな人
-
- 飲食店で働く人
- お酒の販売者
- お酒が好きな人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
唎酒師の資格は、日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)が認定しています。試験の詳細や申込については下記HPから確認してください。
まとめ:唎酒師で日本酒の専門知識とスキルを高めよう
日本酒は日本の伝統的な食文化であり、現在も進化を遂げているものです。お酒に携わる仕事をしている人や日本酒が好きな人は資格取得を検討してみてくださいね。
コメント