ドローン技術は農業や産業、メディアなどさまざまな業界で利用されていますよね。ドローン操縦士やドローンカメラマンとして仕事をしている人も増えてきました。ドローンを趣味として楽しむ人もいます。
この記事ではドローンを操縦する人などから人気のある資格「ドローン検定」について、試験内容や受験資格、受験費用などを紹介します。
無人航空従事者試験(ドローン検定)とは、どんな資格?
無人航空従事者試験(ドローン検定)は、無人航空機(ドローン)を取り扱う従事者やリモートパイロットの知識を客観的に評価する検定です。ドローンを正確に操作するための飛行の特性、物理学、工学、気象学、違法な操縦を避けるための関連法規などが出題されます。
空港などの周辺の空域、人口集中地区の上空の飛行、夜間、目視外等においてドローンを含む無人航空機を飛行させる場合等には、国土交通大臣の許可や承認が必要です。ドローンは個人でも購入しやすい無人航空機ですが、十分な知識と技術がないと違法な操縦をしかねません。
資格取得を通してドローンの操縦で求められる最低限の知識を習得できます。国土交通省へ許可承認申請をする際には、操縦者の資格について証明書を添付できるようになります。
ドローン検定はそのレベルに応じて1級から4級まで等級があります。各級の資格取得者の内訳は下記の通りです(2021年時点のデータ)。
- 1級:3,238人
- 2級:5,996人
- 3級:240,06人
- 4級:1,346人
学ぶ知識・技術
ドローン検定の試験は、筆記試験のみ実施されます。マークシート方式で出題され、全50問です。
大項目 | 中項目 | 1級 | 2級 | 3級 | 4級 |
---|---|---|---|---|---|
基礎知識 | 用語 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
動作 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
組織/制度/国際情勢 | ◯ | ◯ | – | – | |
単位 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
基礎数学 | ◯ | – | – | – | |
物理学 | 力学 | ◯ | ◯ | ◯ | – |
熱力学 | ◯ | – | – | – | |
流体力学 | ◯ | – | – | – | |
電磁気学 | ◯ | – | – | – | |
工学 | 航空工学 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
材料工学 | ◯ | – | – | – | |
流体工学 | ◯ | – | – | – | |
電気電子工学 | ◯ | ◯ | – | – | |
無線工学 | ◯ | – | – | – | |
気象 | 気象学基礎 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
航空気象学 | ◯ | ◯ | – | – | |
専門知識 | 期待構造 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
姿勢制御 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
動力/バッテリー | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
送信機 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
GNSS | ◯ | ◯ | – | – | |
リスク/メディカル | ◯ | ◯ | – | – | |
TEM/SRM/CRM | ◯ | ◯ | ◯ | – | |
責任/保険 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
航法 | ◯ | – | – | – | |
飛行計画/記録 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
法令 | 無人航空機関係 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
航空法全般 | ◯ | – | – | – | |
電波関連 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
その他ルール | ◯ | – | – | – |
試験は80点以上で合格です。合格者には各級ごとに合格証が与えられます。
- 1級の合格証
- 合格証(カード)、合格者ピンバッチ、ドローン検定協会ホームページにプロフィール掲載(希望者のみ)
- 2級の合格証
- 合格証(カード)、合格者ピンバッチ
- 3級・4級の合格証
- 合格証(カード)
無人航空従事者試験(ドローン検定)で目指せる職業、就職先は?
ドローン検定は趣味として取得する人が多い資格ですが、下記の職種などでもドローン検定の知識を活かすことができるでしょう。
- 建築・建設業界での測量や点検
- 薬品散布の操縦
- 空撮カメラマン
- ドローン操縦講師・スクールスタッフ など
無人航空従事者試験(ドローン検定)を取得するとどんな悩みが解決できる?
ドローン検定を取得すると、下記の悩みや課題の解決に貢献できます。
- 無人航空従事者試験(ドローン検定)が解決できること
-
- ドローン操作による事故を防ぐ
- 「無人航空機に関する飛行履歴・知識・能力を有することの証明書」の出力がしやすくなる
- 人が直接向かうのが難しい場所に物を届けることができる
- 人が直接向かうのが難しい場所の状況を確認できる
無人航空従事者試験(ドローン検定)の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
ドローン検定の受験資格は、各級で下記のように定められています。
- 1級:ドローン検定2級取得者
- 2級:ドローン検定3級取得者
- 3級:制限なし
- 4級:制限なし
取得にかかる費用
ドローン検定の受験費用は各級で下記のように定められています。
- 1級:18,800円
- 2級:12,900円
- 3級:6,600円
- 4級:3,200円
また、試験の採点結果紹介を希望する人は、1500円(税抜)で結果の照会が可能です。
無人航空従事者試験(ドローン検定)試験の日程
ドローン検定は年6回開催されます。ただし1級は年3回のみ試験が実施されます。
無人航空従事者試験(ドローン検定)はどんな人におすすめの資格?
ドローンは今後もそのニーズが高まる技術です。操縦技術はもちろんですが、法令順守意識も重要になってくるでしょう。ドローン検定に合格すると、「無人航空機に関する飛行履歴・知識・能力を有することの証明書」をいつでも出力できるようになります。ドローンの飛行に関する許可・承認申請手続きで利用できます。
ドローンは人や車が行きにくい場所に飛んでいくことができますので、過疎地や遠隔地への運搬、危険地帯の調査、上空からの撮影などでその技術が活用されています。ドローン検定で関連知識を身に付けることで、適切な操縦や法令順守ができるようになるでしょう。
ドローン検定協会が実施する「基礎技能講習」と「応用技能講習」が、航空局の「無人航空機の操縦技能講習を行う民間講習団体」としてHPに掲載されています。ドローン検定の1級から4級の合格者は、基礎技能講習の座学5時間のうち4時間の免除を受けられます。
ドローンは仕事のほか、個人の趣味としても人気があります。しかし、正しい知識がないと違法な操縦をしてしまうおそれがあり、事故のリスクも考えられます。ドローンの操縦者がドローン検定に合格することで、安心・安全な操縦が確保されるようになることが期待されます。
- 無人航空従事者試験(ドローン検定)の資格取得がおすすめな人
-
- 仕事でドローンの操縦をする人またはドローンを取り扱う人
- 航空局の「無人航空機の操縦技能講習を行う民間講習団体」の座学受講を検討している人
- 趣味としてドローンの操縦を安全に楽しみたい人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
ドローン検定を管理しているのは、ドローン協会です。試験の詳細や申込については下記HPから確認してください。
まとめ:ますますニーズが高まるドローン操縦のための知識を身に付けよう
ドローンは建築や運搬、産業などさまざまな分野で活躍が期待される技術です。確かな技術力と知識、関連法規遵守の意識を習得している人であれば、ドローンを安心・安全に利用できるでしょう。これからドローン操縦士として働きたい人やドローンを取り扱う仕事の人、趣味としてドローンを楽しみたい人は、ドローン検定にチャレンジしてみてくださいね。
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