土地の活用は、建物管理や節税、収支管理などさまざまな業務が発生します。そのため、土地活用プランナーの資格保有者は土地の所有者から相談を受け、適切なアドバイスを行います。
この記事では、信頼性が高い土地活用プランナーについて、資格試験や登録に必要な要件などを解説します。
土地活用プランナーとは、どんな資格?
土地活用プランナーは、土地活用のエキスパートであることを証明する専門資格です。土地を有している人や会社は、アパートや賃貸マンション、駐車場、ビルなどを経営できます。ただし土地の効率的な活用には賃貸管理や税務など幅広い知識と実務経験が求められます。土地に関する知識を持っていない人にとっては、土地の利活用はハードルが高いといえるでしょう。
土地活用プランナーは、土地の所有者に対してビジネス観点からアドバイスを与えます。土地活用プランナーは、下記のような業務を行います。
- 土地活用に関する相談を受ける
- 土地活用の計画立案
- 土地を活用した不動産ビジネスの支援
- 資金調達へのアドバイス
- 土地に建てる建物施工に関するアドバイス
- 土地の財務に関するアドバイス など
上記の業務を行うためには、不動産のマーケティング知識、賃貸管理、税務、法務、建築、収支管理など、一定以上の水準の知識や経験が求められます。また、土地活用プランナーはADR(裁判外紛争解決手続)の基礎資格として認められています。
- 土地活用プランナーのADRとは
- 裁判所の訴訟手続をとらず、民事上のトラブル解決を図る手続をADRといいます。調停人は、「①法律知識、②紛争分野の専門性、③ADR技術」を習得していなければなりません。土地活用プランナーに登録している人は、②紛争分野(土地活用関連)の専門性の要件を満たします。さらに土地活用プランナーが「調停人研修」を受講すると、①法律知識、③ADR技術の要件を満たすことができます。
ADRをできるということは、土地活用に関する契約のトラブル解決業務ができるという意味です。土地活用プランナーの資格を取得すると、不動産に関する仕事の幅が広がるといえるでしょう。
また、個人の方が自分の土地活用のために必要な知識を習得するために資格取得を目指すこともあります。
学ぶ知識・技術
土地活用プランナーの資格を取得するためには、土地活用に関するマーケティング、法律、税務知識、事業・資金計画、事業計画書の作成などに関する知識の習得が求められます。これらの知識の習得を図る認定試験に合格することが必要です。
問題は、公益社団法人 東京共同住宅協会の「土地活用プランナー養成講座テキスト」から下記の範囲から出題されます。
- 出題内容
-
- 土地活用に関する税務
- 法務
- 事業収支などの基本的な考え方及び土地活用全般に関する問題
- 出題形式
- 筆記(マークシート四肢択一形式) 40問
- 試験時間
- 60分
- 試験日程
-
- 9月中旬頃
- 2月中旬頃
土地活用プランナーで目指せる職業、就職先は?
土地活用プランナーの資格を取得すると、不動産会社や建築関連会社への就職での強い自己アピールになるでしょう。
土地活用プランナーとダブルライセンスがおすすめの職業、資格
関連する業務分野の資格を取得している職種の人は、ダブルライセンスとして土地活用プランナーの資格を取得すると、活躍の幅をさらに広げられます。
- 土地活用プランナーとのダブルライセンスがおすすめの資格
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- 宅地建物取引士
- 税理士
- 司法書士
- 不動産鑑定士
- ファイナンシャルプランナー など
土地活用プランナーになるとどんな悩みが解決できる?
土地活用プランナーになると、次のような悩みや問題の解決に貢献できます。
- 土地活用プランナーが解決できること
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- 正しい土地の活用ができる
- 不動産投資のリスクを避け、資産運用の効率化をする
- 土地の所有に関する節税につながる
- 空地の有効活用など地域の活性化に貢献
- 不動産に関する契約トラブルをADRで民事調停できる
土地活用プランナーの資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
土地活用プランナーの資格試験を受験には、職業、学歴、年齢、性別、国籍などの制限はありません。誰でも受験可能です。
ただし、試験を合格した人のうち、下記の要件を満たす場合のみ土地活用プランナーとして登録されます。
土地活用プランナーの登録要件
土地活用プランナーとして登録するためには、下記①または②のいずれかの要件を満たさなくてはいけません。
① 建設業または不動産業従事者
商業・法人登記された組織に従事されている社員、従業員、職員の方で、建設業関連または不動産関連の実務経験が2年以上あることが要件です。一般事務、および個人事業主は除きます。
- 建設業関連
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- ゼネコン
- ハウスメーカー
- 設計事務所
- 工務店
- 不動産関連
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- 不動産取引業
- 不動産賃貸業
- 不動産管理業
②資格登録者
下記の関連資格のいずれかに2年以上登録されていることが要件です。
- 関連資格
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- 弁護士
- 司法書士
- 行政書士
- 土地家屋調査士
- 測量士
- 不動産鑑定士
- 公認会計士
- 税理士
- 一級建築士
- マンション管理士
- 管理業務主任者
- 宅地建物取引士
- 賃貸不動産経営管理士
- ファイナンシャルプランナー(2級またはAFP以上)
ファイナンシャルプランナーはFP技能士3級を除きます。また、FP技能士2級以上の場合、登録期間ではなく合格後の期間が2年以上であることが要件です。
実務経験が2年に満たない人が合格した場合、登録はできません。ただし合格者に対して発行される合格証書は生涯有効ですので、2年以上の実務経験の要件を満たしてから登録できます。登録証の有効期間は2年間で、2年毎に更新が必要です。
登録更新の際には更新講習を受けます。更新講習を通して、土地活用に関する最新知識を習得できます。
取得にかかる費用
土地活用プランナーの試験の受験料は、7,700円(税込)です。登録する場合の費用は、初回登録料は6,600円(税込)、2年毎の更新料は13,200円(税込)です。
土地活用プランナーはどんな人におすすめの資格?
土地活用プランナーは、不動産業界や建築業界で働く人で、土地活用に関する業務の担当者におすすめの資格です。スキルアップはもちろん、確かな知識と実務経験を持っていることで、顧客からの信頼も得られます。
土地の所有者であるオーナーが資格を取得するメリットとしては、自分の土地の効率的に活用するための知識を得ることで、資産運用や節税に役立つでしょう。また土地所有に伴うリスクを回避やトラブルが発生したときの解決方法も身につきます。
- 土地活用プランナーの資格取得がおすすめな人
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- 土地の活用に関する提案力を向上させたい人
- 土地の所有者から信頼を獲得したい人
- 土地活用事業を始めるにあたり土地活用のノウハウを学びたい
- これから土地活用に関する仕事へ就職・転職を目指す人
- 不動産関連のセカンドライセンス取得を目指す人
- 土地所有者で、自分の土地で効率的に資産運営したい人
- 土地所有に伴う金銭リスクを抑えたい人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
土地活用プランナーの資格は、内閣府から公益認定を受けた公益社団法人 東京共同住宅協会が運営しています。内閣府の認定を受けていることから、公的資格の中でも高い公益性を有しており、資格に対する信頼度も高いのが特徴です。
試験の日程や申込については、下記HPから確認してください。
まとめ:不動産業界や建築業界で働く人、ダブルライセンスを目指す人におすすめ
土地活用プランナーは、不動産業界や建築業界で土地活用の仕事を担当している人にとってスキルアップにつながる資格です。また、宅地建物取引士や司法書士などがダブルライセンスとして資格取得を目指すことで、仕事の幅がさらに広がるでしょう。土地活用のエキスパートを目指す人はチャレンジしてみてくださいね。
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