IT系国家資格の中でも人気が高く、転職に有利とされるのが「ネットワークスペシャリスト」です。ネットワークエンジニアやインフラ系エンジニアを目指す人なら必ず取得しておきたい資格ですが、試験の難しさも評判です。ネットワークスペシャリストの仕事内容やキャリアパス、年収の相場など資格取得のメリットを詳しく紹介していきます。
ネットワークスペシャリストとは、どんな資格?
ネットワークスペシャリストとは、ネットワークの設計・構築・運用に携わる専門職かつIT系国家資格です。経済産業大臣が認定する国家試験・情報処理技術者試験の一つ、ネットワークスペシャリスト試験に合格すると資格を取得できますが、この試験は最も難易度の高い試験に位置付けられています。
ネットワークスペシャリストの具体的な仕事内容は、以下の通りです。
- 情報通信ネットワークシステムの設計・構築・運用
- 通信ケーブルを使って社内の複数の端末をネットワークを構築する「LAN」、会社の拠点同士のネットワークを構築する「WAN」、インターネットを活用して安全なネットワークを構築する「VPN」などの設計・構築・運用でトラブルが起こらないよう、技術的にサポートし、社内のネット環境を整える。
- ITプロジェクトのチームリーダーとしてのマネジメント
- ITプロジェクトのチームリーダーとして、プロジェクトの進捗管理やメンバーへの業務指示、技術的指導を行う。
- ITにおける技術面でのコンサルティング
- IT知識を使って、会社の経営を改善するアイデアを提案する。
学ぶ知識・技術
ネットワークスペシャリスト試験に合格するには、下記の知識・技術を習得しておく必要があります。
テクノロジ系
- 基礎理論
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- 離散数学
- 応用数学
- 情報に関する理論
- 通信に関する理論
- 計測、制御に関する理論
- データ構造
- アルゴリズム
- プログラミング
- プログラミング言語
- その他の言語
- コンピュータシステム
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- プロセッサ
- メモリ
- バス
- 入出力デバイス
- 入出力装置
- システムの構成
- システムの評価指標
- オペレーティングシステム
- ミドルウェア
- ファイルシステム
- 開発ツール
- オープンソースソフトウェア
- ハードウェア
- 技術要素
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- ヒューマンインターフェース技術
- インターフェース設計
- マルチメディア技術
- マルチメディア応用
- データベース方式
- データベース設計
- データ操作
- トランザクション処理
- データベース応用
- ネットワーク方式
- データ通信と制御
- 通信プロトコル
- ネットワーク管理
- ネットワーク応用
- 情報セキュリティ
- 情報セキュリティ管理
- セキュリティ技術評価
- 情報セキュリティ対策
- セキュリティ実装技術
- 開発技術
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- システム要件定義
- システム方式設計
- ソフトウェア要件定義
- ソフトウェア方式設計・ソフトウェア詳細設計
- ソフトウェアコード作成及びテスト
- ソフトウェア結合・ソフトウェア適格性確認テスト
- システム結合・システム適格性確認テスト
- ソフトウェア導入
- ソフトウェア受入れ
- ソフトウェア保守
- 開発プロセス
- 知的財産適用管理
- 開発環境管理
- 構成管理・変更管理
マネジメント系
- プロジェクトマネジメント
-
- プロジェクト統合マネジメント
- プロジェクト・スコープ・マネジメント
- プロジェクト・タイム・マネジメント
- プロジェクト・コスト・マネジメント
- プロジェクト品質マネジメント
- プロジェクト人的資源マネジメント
- プロジェクト・コミュニケーション・マネジメント
- プロジェクト・リスク・マネジメント
- プロジェクト調達マネジメント
- サービスマネジメント
-
- サービスマネジメント
- 運用設計・ツール
- サービスサポート
- サービスデリバリ
- サービスマネジメント構築
- ファシリティマネジメント
- システム監査
- 内部統制
ストラテジ系
- システム戦略
-
- 情報システム戦略
- 業務プロセス
- ソリューションビジネス
- システム活用促進・評価
- システム化計画
- 要件定義
- 調達計画・実施
- 経営戦略
-
- 経営戦略手法
- マーケティング
- ビジネス戦略と目標・評価
- 経営管理システム
- 技術開発戦略の立案
- 技術開発計画
- ビジネスシステム
- エンジニアリングシステム
- e-ビジネス
- 民生機器
- 産業機器
- 企業と法務
-
- 経営・組織論
- OR・IE
- 会計・財務
- 知的財産権
- セキュリティ関連法規
- 労働関連・取引関連法規
- その他の法律ガイドライン・技術者論理
- 標準化関連
テクノロジ系
- コンピュータシステム
-
- コンピュータ構成要素
- システム構成要素
- 技術要素
-
- ネットワーク
- セキュリティ
- 開発技術
-
- システム開発技術
- ソフトウェア開発管理技術
記述試験
- ネットワークシステムの企画・要件定義・開発に関すること
- ネットワークシステムの運用・保守に関すること
- ネットワーク技術・関連法規・標準に関すること
- ネットワークサービス活用に関すること
- ネットワーク・アプリケーション技術に関すること
ネットワークスペシャリストで目指せる職業、就職先は?
ネットワークスペシャリストの資格は、ネットワークについての高度な知識がある証明になるので、即戦力として企業から高い評価を受けやすいです。実際にIT系企業・通信系企業・ネットワーク系企業の多くはネットワークスペシャリストを求めており、特に大手では必須資格となっています。
ネットワークスペシャリストになるとどんな悩みが解決できる?
ネットワークスペシャリストになると、次のような悩み・問題の解決に貢献できます。
- ネットワークスペシャリストが解決できること
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- 会社に勤める従業員全員が同一システムを利用できるようになり、デバイスの情報やデータの共有をスムーズに行える
- データ入力の簡素化が実現したり、リアルタイムでのデータ更新が円滑になる
- IT技術のコンサルティング業務を通じて、会社経営を効率化し、改善させる
ネットワークスペシャリストの資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
ネットワークスペシャリストの資格を取得するには、ネットワークスペシャリスト試験に合格する必要がありますが、この試験は年齢や学歴、職歴を問わずどなたでも受験できます。
取得にかかる費用
ネットワークスペシャリスト試験の受験にかかる費用は、5,700円です。
ネットワークスペシャリストはどんな人におすすめの資格?
ネットワークスペシャリストは、次のような人に取得がおすすめの資格です。
- ネットワークスペシャリストの資格取得がおすすめな人
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- ネットワークエンジニアとしての高いスキル・知識を証明したい人
- 大手のIT企業への転職を有利に進めたい人
- IT知識を生かしたコンサルティング業務をやりたい人
- IT企業での出世や年収アップを目指している人(平均年収は450〜800万円)
- 中小企業診断士や弁理士、技術士としてのキャリアパスを目指している人(それぞれの試験科目が一部免除される)
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
ネットワークスペシャリストの資格を管理し、試験を実施しているのは「独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)」です。その年の試験日程や会場、受験申請に必要な手続きについては、下記の公式HPからご確認ください。
まとめ:ネットワークスペシャリストは、IT業界での評価が高いおすすめ資格!
ネットワークスペシャリスト試験の合格率は例年15%程度と、難易度が高い国家資格ですが、合格すればITコンサルもできるエンジニアとして業界から高く評価され、転職も給与交渉もかなり有利に進められます。ネットワークエンジニアとして安定したキャリア形成を目指す人は、資格取得に向けてトライを!
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