移動式クレーン運転士は、クレーン運転士の種類のひとつであり、さまざまなクレーンを運転操作できる資格です。
ここでは、移動式クレーン運転士がどのようなクレーンを運転操作できるか、取得に必要な条件や費用、取得することでどのようなメリットがあるかについて解説していきます。
移動式クレーン運転士とは、どんな資格?
移動式クレーン運転士とは、つり上げ荷重が5トン以上の移動式クレーンを運転するために必要な資格です。つり上げ荷重に制限を設けられていないので、5トン以上であれば、例えば1000トンの操作も可能ではありますが、公道を運転する場合は車両に応じた運転免許(普通、大型、大特など)が必要なことは覚えておきます。
国家資格で学科と実技の両方に合格する必要がありますが、比較的取りやすい資格と言われています。
- 移動式クレーンの種類
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- ホイールクレーン
- トラッククレーン
- クローラクレーン
- ロコ(鉄道)クレーン など
- フローリング(浮き)クレーン など
学ぶ知識・技術
- 学科
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- 移動式クレーンについての知識
- 原動機や電気についての知識
- 移動式クレーンに関係する法令
- 力学についての知識
- 実技
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- 移動式クレーンの運転方法
- 移動式クレーンの運転に必要な合図
移動式クレーン運転士で目指せる職業、就職先は?
移動式クレーン運転士の資格を取ると、建築業界や土木関係、造園作業、看板の設置や運搬、その他運動業にまつわる職種で活躍できる可能性があります。
特に、建築業界でのニーズが高いと言われているので、参考にするといいでしょう。
ただし、採用に関しては実務経験者が優先される傾向があるようです。未経験での採用例ももちろんあるので、就職や転職を考えて資格を取るという人は、資格を取る前に求人サイトなどである程度あたりをつけておくことをおすすめします。
- 衛生工学衛生管理者の就職先の例
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- 各種建築業
- 各種運送業
- 土木工事事業
- 造園業
- その他施工業 など
移動式クレーン運転手に限定した年収調査はありませんが、クレーン運転工の年収の平均は男性で約510万円といわれています。キャリアを重ねてスキルアップをはかれば、収入アップは目指せそうです。また、移動式クレーン運転手の資格を取ってキャリアアップを目指すという人も多いと言われています。
移動式クレーン運転士になるとどんな悩みが解決できる?
移動式クレーン運転士の資格は、文字通り移動機関がついたさまざまなクレーンの運転ができる資格です。人力や牽引などでは運べない、設置できないものに対応することで、建築工事などの作業効率を高め、より安全に作業を進めることができるようになります。
また、大掛かりな建築や運搬に携わることで、大きなプロジェクトに関わるという機会も創出できます。
- 移動式クレーン運転士が解決できること
- 重い、大きいものをつり上げることで、安全に効率よく工事、運搬作業を進める
移動式クレーン運転士の資格取れる人はどんな人(取得条件・受講資格)
移動式クレーン運転士を取るために必要な学歴、資格等はなく、年齢制限もありません。ただし、18歳未満の場合は18歳になるまで免許が交付されません。また、受験するには本人確認証明書が必要になります。
クレーン作業には「玉掛け作業」が必要になることも多いですが、玉掛け作業をする場合は、クレーン運転士とは別に玉掛け資格(玉掛け技能講習修了)が必要になるので注意しましょう。
移動式クレーン運転士を取るには
極端に言うと、移動式クレーン運転士は本人確認証明書と申請書類、試験手数料(学科、実技ともに)があれば取ることができます。ただし、危険をともなう作業であり、専門的な技術や知識のため、独学だけで取得するのは難しいことが多いようです。
一般的には、労働局指定の教育機関に通いながら学科や実技の対策(実技のみも可)、自分にあう問題集などを併用して合格を目指します。
取得にかかる費用
- 学科・実技試験手数料
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- 学科試験 … 8300円
- 実技試験 … 11100円
- 教習機関にかかる費用の例
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- 実技と学科両方受ける場合 … 120000円~140000円
- 実技だけ受ける場合 … 85000円~100000円
- 学科だけ受ける場合 … 55000円~65000円
移動式クレーン運転士はどんな人におすすめの資格?
移動式クレーン運転士には、特別な資格は必要ないので、取りたいと思った人におすすめの資格です。就業しないのであれば子どもでも取得可能ではありますが、現実的に考えると、クレーン作業がともなう業界で働く人や業界への転職・就職を考える人におすすめの資格と言えるでしょう。
一般作業員、運転手からのキャリアップの例も少なくありませんので、業界内での収入アップ、キャリアアップを狙うなら、是非検討したい資格です。なお、障がいがある人には希望者に応じて特別措置がとられることがあるので、申請前に安全衛生技術センターに相談しましょう。
- 移動式クレーン運転士の取得がおすすめな人
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- 建築業や運送業、設置業などで働く人
- クレーン作業をともなう仕事に興味がある人
- すでに運搬や工事関係の仕事をしていて、キャリアアップを目指す人
- 障がいのある人で取得を検討する人(事前相談が’必要)
移動式クレーン運転士はどこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
移動式クレーン運転士試験の問い合わせ先は、公益財団法人 安全衛生技術試験協会です。
願書の申込みや受付期間は実施地域によって違ってきますので、それぞれの管轄センターに問い合わせましょう。
▼ 公益財団法人 安全衛生技術試験本部
03-5275-1088
▼ 北海道安全衛生技術センター
0123-34-1171
▼ 東北安全衛生技術センター
0223-23-3181
▼ 関東安全衛生技術センター
0436-75-1141
▼ 中部安全衛生技術センター
0562-33-1161
▼ 近畿安全衛生技術センター
079-438-8481
▼ 中国四国安全衛生技術センター
084-954-4661
▼ 九州安全衛生技術センター
0942-43-3381
まとめ:移動式クレーン運転士はさまざまなクレーンを運転して工事などを円滑に安全に進める資格。業界内でのキャリアアップにおすすめの資格です
移動式クレーン運転士とは、ホイールクレーンやトラッククレーン、クローラークレーンなどのさまざまなクレーンを運転し、大きなものや重いものの運搬や設置で活躍する資格です。
特別な資格は必要ありませんが、18差未満で取っても免許が交付されません(18歳を過ぎてから交付)。工事現場や運送業、造園業などで活躍の幅を広げたい、キャリアアップや収入アップを目指したいという人は、玉掛け資格の取得もあわせて検討してみてはいかがでしょうか。
訓練や勉強が必要な資格ではありますが、難易度でいうとそこまで高くないとされています。自身の経験や経済状況、スケジュールなどを考慮しながら教育機関の利用の仕方を決めて、ぜひ取得にチャレンジしてみてください。
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