マンションは年数と共に老朽化などの課題が発生するため、維持修繕など適切な管理が必要ですよね。この記事では「マンション維持修繕技術者」の仕事とやりがいを紹介しながら、資格取得のための試験や講習、受験資格、受験費用などを解説します。
マンション維持修繕技術者とは、どんな資格?
マンション維持修繕技術者とは、マンションの維持・修繕に関して一定水準の知識と技術を有していることを認定する民間資格です。マンション維持修繕技術者は、マンション建物・設備の維持保全に関する知識・技術を有しているとみなされます。マンション管理や修繕に関する優れた対応力も求められ、円滑な共同居住の実現をサポートすることが期待されています。
マンション維持修繕技術者試験に合格し、登録をすると、「マンション維持修繕技術者」と称することができます。マンション維持修繕技術者試験は2002年からスタートした試験で、登録者数は4,781人(令和4年5月1日現在)です。
学ぶ知識・技術
マンション維持修繕技術者の資格を取得するためには、試験に合格する必要があります。
- 試験実施時間
- 120分
- 出題形式(合計47問:100点)
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- 択一式試験(四肢択一式45問 配点90点)
- 記述式試験(解答自筆式2問配点10点)
- 出題範囲
- マンションの維持・修繕に係る一般建築・設備知識、修繕知識、法律関連知識、管理組合対応知識 等
なお、記述式の範囲は今後、大規模修繕工事の「居ながら施工」、「計画修繕工事の支援策」など、順次出題範囲を拡大していくことが公式HPで発表されています(2023年現在)。
「マンション維持修繕専門課程研修」は受講すべき?
マンション維持修繕技術者試験では、「マンション維持修繕専門課程研修」が東京で開催されています。研修は2日間で構成され、ビデオ教材などを交えながら、一般建築知識、調査診断・修繕設計、工事監理、マンション維持修繕関連法令などについて実務的な知識を習得することを目指します。
試験の合格率は例年28%前後です。対策不足の場合は合格が難しくなることが予想されますので、しっかりと準備をしたい人は研修に参加するのが安心です。
マンション維持修繕技術者で目指せる職業、就職先は?
マンション維持修繕技術者の資格を取得すると、住宅メーカーや住宅管理会社への就職・転職に役立ちます。
マンション維持修繕技術者を取得するとどんな悩みが解決できる?
マンション維持修繕技術者の資格を取得すると、下記の悩みや課題の解決に貢献できます。
- マンション維持修繕技術者が解決できること
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- 老朽化したマンションの維持修繕を適切に進めることができる
- 居住者の住環境の向上をサポートできる
- 適切な維持修繕・管理によって、マンションの大家や管理会社の信頼を支える
マンション維持修繕技術者の資格を取れる人はどんな人?(取得条件・受験資格)
マンション維持修繕技術者試験の受験資格は、下記(1)~(4)のいずれかに該当する必要があります。
(1)学歴と建築・設備関係に関しての実務経験
学歴とは、建築に関する課程を指します。機械・電気・土木関係の課程も含みます。実務経験とは、新築・改修を問わず、建築・設備の設計や工事に関わる実務、診断・積算等の長期修繕計画書の作成に関わる実務、又は維持保全に関わる実務等です。
- 1.大学(修業4年)
- 卒業後1年以上の実務経験
- 2.短期大学(修業3年)
- 卒業後2年以上の実務経験
- 3.短期大学・高等専門学校(修業2年)
- 卒業後3年以上の実務経験
- 4.高卒以上を対象とする専修学校・各種学校(修業2年以上)
- 卒業後3年以上の実務経験
- 5.高卒以上を対象とする専修学校・各種学校(修業1年)
- 卒業後4年以上の実務経験
- 6.工業高校(修業3年)
- 卒業後5年以上の実務経験
- 7.4および5を除く中卒以上を対象とする 専修学校・各種学校(修業2年)
- 卒業後6年以上の実務経験
(2)実務経験のみ(学歴不問)
新築・改修を問わず、建築・設備の設計や工事に関わる実務、診断・積算等の長期修繕計画書の作成に関わる実務、又は維持保全に関わる実務などの経験のみを有する人は、下記の年数の実務経験が必要です。
- 実務経験のみ(学歴不問)
- 8年以上の建築・設備関連実務経験
(3)次のいずれかの資格等を保有する者
下記のいずれかの資格保有者は、試験の受験資格を得られます。
- 大規模修繕コンサルタント実務研修修了者
- マンション維持修繕技術専門課程研修受講者または、申込年度前のマンション維持修繕技術者試験受験者
- 一級建築士又は二級建築士
- 技術士(建設部門・文部科学省認定資格)
- 建築設備士
- 区分所有管理士試験合格者
- 管理業務主任者試験合格者
- マンション管理士試験合格者
上記に関する注意点です。
- 大規模修繕コンサルタント実務研修修了者とは平成11年6月から平成14年7月まで(6回実施)の研修修了者です
- マンション維持修繕技術専門課程研修受講者は、平成15年度以降のマンション維持修繕技術専門課程研修修了者を指します
- 管理業務主任者試験合格者は、「マンション適正化の推進に関する法律」附則第5条の規定に基づく講習(移行講習。平成14年4月で終了)修了者を含みます
(4)その他 当協会理事長が上記(3)に掲げる前各号と同等以上と認める者(以下のいずれか)
- 一級又は二級建築施工管理技士
- 一級又は二級管工事施工管理技士
- 一級又は二級電気工事施工管理技士
- 一級又は二級電気通信工事施工管理技士
- 甲種消防設備士
- 給水装置工事主任技術者
取得にかかる費用
マンション維持修繕技術者試験の受験料は、11,000円(税込)です。
マンション維持修繕技術者試験の日程
マンション維持修繕技術者試験は、年に一回開催されます。開催地は東京・大阪・札幌・仙台・名古屋・広島・福岡です。
マンション維持修繕技術者はどんな人におすすめの資格?
住環境の維持・向上のニーズは高く、これからも需要は高い状態が続くことが見込まれます。建物の老朽化やリノベーションなど、マンションは適切な管理が必要であり、専門知識を習得したマンション維持修繕技術者は、建築業界や不動産業界から重宝される存在となるでしょう。
マンション維持修繕技術者の年収は平均年収よりもやや高めの水準です。今後も安定的に収入を得たい人におすすめの資格でといえます。
マンション維持修繕技術者試験の合格率は、28%前後で難易度はやや高めです。しっかりと対策して試験に臨みましょう。
- マンション維持修繕技術者の資格取得がおすすめな人
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- 工業系の知識・スキルを活かして資格を取得したい人
- 住環境の充実に貢献したい人
- 安定した収入を得たい人
どこが管理している資格なの?(問い合わせ先・管理団体)
マンション維持修繕技術者の資格を主催しているのは、一般社団法人 マンション管理業協会です。試験の詳細や申込については、下記のURLから確認してください。
まとめ:マンションの居住者の住環境の向上に貢献できるのがやりがい!
マンション維持修繕技術者は、今後もますます活躍が期待される職業です。知識やスキルを活かして、マンションの居住者の住環境向上をサポートしてみませんか?
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